「新たな冒険譚」キャッツ Shuheiさんの映画レビュー(感想・評価)
新たな冒険譚
キャッツの舞台通算8回観てる大ファンです。映画で舞台をどれほど再現出来るかと期待してなかったが、期待を少し超えたかなという感じ。
自分はロンドンに住んでた事があり、ピカデリーサーカスやトラファルガー広場でのダンスシーン、路地裏での喧騒など、舞台からキャッツ達がロンドンの街に飛び込んでいったような新鮮な感覚を覚えた。
マキャベティが消した猫たちがテムズ川のほとりに集められたり、ヴィクトリア目線で物語が進行したり、グリザベラが気球で天上に向かったりと、成る程こういう解釈も出来るなと思いました。
舞台だと数回涙が溢れるのだが、映画ではその場の圧倒的熱量やオーラがやはりどうしても減衰してしまう。それでもグリザベラのラストメモリーは2、3秒鳥肌が立ち涙が溢れた。
ダイバーシティがようやく叫ばれるようになった昨今、皆誇り高く生きていくジェリクル達は、時代を捉えている。
猫は誇り高く強く生きていく、決して人間に媚びない、猫は求めるのだ唯一のその名を。
女性は男性に媚びる必要があるか?力ないものは力あるものに媚びる必要があるか?周りと違う生き方をしてる者は周りに媚びる必要があるか?
いや、無い!
皆それぞれ、誰一人余す事なく、誇り高く生きていこう。
この作品は素晴らしく圧倒的なニャン間賛歌だ。
PS
映画館の帰りの駐車場出口で、現金を忘れしかもカード支払い不対応という状況に。インターホンで守衛さんを呼んで、私「すいません、現金忘れてカードしかありません。キャッツ観てきました。」守衛さん「キャッツいいですよね。」と言ってゲート開けてくれました。映画は世界を豊かにしますね。
誇り高く生きて行こう!笑