「ご褒美ありがとう」キャッツ なほこさんの映画レビュー(感想・評価)
ご褒美ありがとう
好き嫌い完全に分かれますが、ハマる人はどっぷりとハマれます。
お約束します。
そしてそれはあなたの人生の有意義な時間になることでしょう。
この感想文はめちゃめちゃ長いです。
私は五歳の頃に劇団四季のキャッツの洗脳(?)を受けていますが余裕で楽しめた。
それどころか、感動して泣いてしまった。
この映画は初見の人にとっては驚きと気持ち悪さと恐怖で支配されるでしょう。
でもその中に、確かに何か、何か光り輝くものを見つけられるはずです。
この映画はそんな素敵な映画なのです。
そして舞台版を見たことのある人、というか長年舞台版を見てきた人にとっては、また更にキャッツを愛している方にとっては、猫が好きな方にとっては、最高のご褒美となることでしょう。
私にはそう感じられました。
この映画はエキサイティングです。
驚きと感動に満ちています。
曲調もロンドンオリジナル版に近いのかな?
そんな気がしました。
言葉では説明しきれません。
こんなに映画館でワクワクしたのは久しぶりでした。
ロック調のような、アップテンポ気味になっていますがそれがまたなんというか
イギリス的でロックで素晴らしい。ノリノリでしたよ。サントラ買います。
改めてアンドリューロイドウェバーの素晴らしさに気づかされます。
この人、一体何者なのでしょう??この人こそ、ジェリクルなのでは・・・!!
昔から好きなのはミストフェリーズのナンバー。
一緒に歌ってます。
舞台版好きな人は少々映像化が難色でも脳内補正で楽しめます。
ゴキブリだけは、やらなくてもいいと思いました。
トムフーパー監督真面目なので正直にやってしまったのかと思いました。
でも逆にあれがイギリスジョークみたいになっててよかったのかもしれません。
ジェニエニドッツのナンバーが比較的大音量なので少々ワーキャー叫んでも
周りの迷惑にはなりませんが私は終始映画館で叫んでしまいました。
マンカストラップが普通にかっこいい。
ジェニエニドッツとマンカスがみんなと離れて隅の方でドラム缶の横でイチャイチャ(?)したり仲良く二人で気がつけば腕組してるのであれ君らって付き合ってたの??と思いました。(いや違うか笑)ジェニエニドッツも渡辺直美みたいで可愛い。
!!!!!!!!!!!!!!!!!!個人的に一番唸ったポイント!!!!!!!!!!!!!
(ネタバレ注意)
ヴィクトリアの見せ場、満月の明かりに照らされながら一人(一匹)踊る、そうあのご存知の有名なシーンです。最初このシーンてこのことってわからなかったんですが、あとからああ、あれか!!とわかりまして自分のアホさに馬鹿野郎ってなりました。肉体を目覚めさせ、ていうかなんていうんですかねえ、あの場面は、中々言葉ではうまく説明できないんですが、初めてここにやってきたヴィクトリアがマンカストラップの誘導もあり一人で己の体を解放し肉体を伸ばし自分の存在を確認する認識するというのか、ごめん本当になんていっていいかマジでわからないんですけど、なんかそんな感じです。あのなんていうんですかねえ、高揚感、この映画の一番のカタルシスだったのではないかなと私は思います。ヴィクトリアは捨てられます。この捨てられた一匹のメスネコの存在が確固たるものになっていく過程というか自分を認証する、自我を目覚めさてゆく、肉体通して肉体があることに気がついて肉体によって自分を初めて知った、初めてわかる、気持ち悪い表現になってますがわかってほしい。ここで初めてヴィクトリアがこの場所の仲間たちに認められた瞬間なのかなと思います(間違ってたらすみません)本当にこの場面好きすぎて何時間でも話せそう。一度捨てられ新たにゴミ捨て場で猫たちに出会いまた別の存在にもう一度生まれ変わる、ジェリクルの疑似体験みたいな気持ちになりました。ここでもヴィクトリアは生き直してるのです。そして他の猫たちも多分同じなのだと思います。みんな、何かしらの過程を経てここに集まってきてます。そのたびにこんな儀式してるのかなとふと思いました。わかりませんが洗礼みたいな気持ちになります。
ミュージカルキャッツは、キリスト教的だなと思います。
ハッキリとは明言されませんが、見てるとそんな感じがします。
みなさんも、薄々感じているのではないでしょうか。
救いがあります。
私は最後、グリザベラが受け入れられた瞬間にかかる
天上への旅
(劇団四季版邦題)
The Journey To The Heaviside Layer
(原題)
この曲がかかる瞬間が一番好きです。
こちらもカタルシスを感じます。
舞台版では大きなタイヤに乗ったオールドデュトロノミーとグリザベラが上がっていくのですがそのタイヤから出る白い煙と上を見上げて見送る猫たちの影が非常に綺麗で美しくとても好きなのです。シルエットがクッキリと表れててそれはそれはとても神秘的で美しいのです。猫たちの上げる手が指先一本一本にまで明暗分かれてグリザベラを天上まで見送ります。このシーンも、映画でも忠実に再現されてました。タイヤではなくシャンデリアでしたがああ、同じだと思いました。最後にみんなが集合している場所が大きなネコ科のボスのライオンの銅像だったことも楽しかった。
なんかもう全てが好きで全てがよくて(ゴキブリ以外)冒頭ナンバーがとにかく私的には完ぺきで躍動感もあって最高に唸った。(ゴキブリには悪いけど本当に怖かった。)
こんな風に映画になってくれたのか!!!!!!!!と謎の感動を覚える。
動き、曲調、カメラワーク、どこをとっても全てがよかった。
この辺は好みはわかれますが。
好き、好き、好き、好き、好き、好きーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!あーーーーーーーー
これこれこれこれーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!みたいな、感じ。
すみません伝わればいいのだが・・・・・・・・・。
とにかく、キャッツ最高だった。私はとても好き。こんなのなら、毎日でも見たい。
監督ありがとう、そして猫ありがとう。
本当にこの映画に注文つけるのならばただ一つだけ、ゴキブリに注意ただそれだけ。
そのことだけ抑えてれば、あとは普通に見れます。