「映画初心者だった頃の感覚が呼び戻された。」ダウントン・アビー Chiharuさんの映画レビュー(感想・評価)
映画初心者だった頃の感覚が呼び戻された。
オープニングの広々としたお屋敷の外観と景色、壮大な音楽に懐かしさと期待が膨らむ。
映画に魅了されて学校のチャイムと同時に急ぎ足で向かった映画館。
地方都市唯一の単館系映画館、そこで出会った数々のイギリス上流階級の物語。
美しさだけではなく、露骨な裏切りや皮肉を当時の私が理解できていたのかは別として、伝統的な格式高い雰囲気に随分と別世界を体感したのでした。
そんなスクリーンに引き込まれていたその頃を思い出すオーソドックスで、ちょっとした事件に大騒ぎな物語、私にはそれだけでも大満足。
加えて、人間模様が鮮やかに手にとる様にわかるエピソードが魅力的。
お屋敷中の全ての人々が主人公かの如く、あちらこちらで火の手が上がったり鎮火したり。バタバタしながらもユーモアたっぷりな会話が面白おかしく、始終ニヤニヤしてしまった。
いろんな種類の愛の形を描いているところも見逃せない。
保守的なのに前向きで風通しが良い、そんな清々しい気分になった。
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