「撮影許可してほしかったなぁ甲子園球場さん!」アルプススタンドのはしの方 ごーるどとまとさんの映画レビュー(感想・評価)
撮影許可してほしかったなぁ甲子園球場さん!
まず台詞が生きているのは、高校演劇部顧問の先生の戯曲が原作だからだろうなぁ。生徒とまっすぐ向き合ってきた先生だからこそのリアルな高校生の言葉や思考にニンマリ。それは大人から(上から)みた高校生の姿では全くなかった。
そして部員4人の演劇部のために書かれた戯曲らしくアルプススタンドの4人の会話劇でテンポ良く進んでいくのが舞台演出をも想像できてその戯曲のアイデアに脱帽。
舞台の映画化だからと言って急に演出が派手になることもなくグランドが一切映らないのも有名俳優を使っていないのもこの作品にはかえって良かったと思う。変にキラキラさせなかったことによって等身大の高校生が、私が、確実にあそこ(アルプススタンド)にいた!
「しようがない」って言葉で自分を納得させようとしても結局は納得などできない。だったら不器用でもいい、人に笑われてもいい、自分が納得できるまでやってみようよ、と背中を押してもらった気がした。歳とともに分厚くなっていた心の錆が最後には大量の涙となって流されていった。なんとも清々しい映画だ。
ただ、甲子園球場での撮影が許可されなかったのがとても残念。それも含めてドラマになってるけどね。
帰宅部には帰宅部なりの挫折があった元高校生より。
脚本を読みましたが、ほんとは甲子園だったのですね。(アルプススタンドだから当たり前か)
しかし、どうしても地方大会にしか見えませんでした。
設定が地方大会でも十分だったとは思いますが、それではこの題名が使えませんね。
今年の甲子園(全国高校野球大会)も終わりましたね。
異色の、試合がまったく写らない構成の映画でしたね。
でもアルプススタンドの生徒さんたちの葛藤に
胸が熱くなりました。
私も帰宅部でしたが、受験の重圧に日々苦しい毎日でした。
落ちた学校アリ、受かった学校アリ。
懐かしいけど苦しかったです。
(凄く引き込まれました)