「今この時期だからこそ胸に響く」アルプススタンドのはしの方 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)
今この時期だからこそ胸に響く
ブラスバンドや全校応援のない甲子園が開かれている今、体育会系だけでなく演劇をはじめとした文化系の大会も中止されているこの時期に、この映画が公開され、観られたことは奇跡的とも言える。
「しょうがない」と自分で納得しようとしても、納得しきれない屈託や無念さが胸に響く。登場人物それぞれが抱えていた想いが、次第に(画面に一切現れない)野球部員への応援を通じて解放されていく様が清々しい。
ただ、せっかく映画化したのに、どう見ても甲子園には見えないロケーションは、苦しい。地方予選の決勝大会とかに設定を変えても、十分成立したのではないか。
役者陣は全く知らないメンバーばかりだが、先生役も含め、いい味を出していた。エピローグの後日談も、出来すぎ感はあるが、とても良かった。
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