劇場公開日 2020年7月24日

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「テーマは「”しょうがない”を言わない」ではなく「あきらめない」」アルプススタンドのはしの方 YAS!さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0テーマは「”しょうがない”を言わない」ではなく「あきらめない」

2020年8月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

映画としては純粋に面白かったけれども、
この自主製作映画はきちんとした体制とお金をかければ、きっと良い青春ものになると思う。

音楽を監修する人間がいないようだが、青春期の篤い思いを表現する為には
映画に合ったきちんとした曲を数曲、挿入する必要がある。
本物の監督なら、吹奏部の演奏でそれを表現するだろう。

矢野さんの”送りバント”はどう聴いても、バントにも内野ゴロにも聴こえず、単なる打音で他とも同じ
人が歩く音もみな同じ。。。
映画では音響に対する思い入れ度も0

撮影の多くは順撮りしたようだが、
主要演者は中盤まで、まるで演技ができておらず、後半になり、ようやく カツレツも演技もよくなったが、
”セリフ劇”でこの手の素人を使うには
撮影前に読み合わせ等を
丁寧に行っておくべきだったと思う。

冒頭シーンで「しょうがない」と言っているのだろうが、それが良く判らず、映画のテーマなのにきちんと表現できていないのは残念
これはシナリオライターの脆弱さ

チープな撮影は何もかも「サ・甲子園」には見えない。
どう見ても舞台設定も県大会2~3回戦レベル
エースを準プロ級と称えるなら、各セリフも当然変わってくるし
エースが試合中にlineしてるなんて、ありえない。

トランペットが2人並んでも、口元は体裁的に添えているだけで
2名の指もあっていない。
撮影での演技指導の10分間を惜しんだのか? 何もかも拘りがないのか?

夏の試合なら、”輝く太陽”や”冒頭シーンでの暑さを表現する”カットが必ず必要だ。
また暑い試合なら、応援の合間に頭にタオル・ハンカチをのせたりするし、汗も拭う。
そんなシーンもない。

なぜ「すみっこ(端)」なのか、この映画のスタッフは全員理解できていない。
全体があるから、端が存在する。
その”全体とすみっこをつなぐ役目”を持たせねばならない
唯一の移動キャラである 茶道部顧問 だが、
画面の見えない部分でも、同調子に大声をだしてしまっていては、すみっこと全体との対比ができなくなってしまい、重要なセリフを言うが、
単なるオチャラケキャラで終り、存在意義が消えてしまっている。
同時に”端”を生かすためには、すみっこが在る”味方応援席全体”を映すカットが、数カットないと、対比ができない。

全体的に主要女子はAKBのような子だけを使ってもよかったが、本作はリアルな子を登用するが、要となる2名の漫談演技は作品の質を落とした。
唯一最初から好演技ができていたのはガリ勉女子のみ

この映画を修正をするなら、
舞台が甲子園である必要性がないので、「まぐれで勝ち進んだた県予選の順々決勝」位にすれば、
”スタンドのチープさ”が気にならなくなるし、少ない観客数にも対応できる。
保護者や町内会、OB等の大人の応援者を減らす事もできます。
また主要キャラが、冷めた気持ちで試合を見に来た展開も生きてくる。
シナリオ的に意味のない 「全校生徒が全員強制出席」「ホテルから会場いりした」という
いらぬ墓穴を掘らずに済みますし、エースの園田君がプロスカウトが見に来たという いらぬくだりも不要となる。

唯一のプラスポイントは 数回 ゆらぎ を表現したカットが入っていたことだ。

この映画を観て、30数年前に観た「トリオでランチ(日本大学 文理学部文化会 映画部)」を久々に観たくなった。テンポよ井3人会話劇だ。

YAS!
YAS!さんのコメント
2020年8月10日

埼玉から大阪なら、ホテルに泊まらず、応援団は夜行バス。
選手は旅館に宿営
そして生徒は”ひとりづつ別行動”でなく、団体で移動しないと
学校の責任問題になります。
またホテルで補講は無理です。

甲子園に行けたなら、1回戦でも、どの高校も勝つ自信があり、
ここまで冷めてはいない。

YAS!