「暑苦しくなくて良い」アルプススタンドのはしの方 藤崎修次さんの映画レビュー(感想・評価)
暑苦しくなくて良い
高校野球を題材にしてるのにグラウンドが全く映らずタイトルどおりスタンドの片隅だけで物語が進行する異質の舞台仕立ての作品。
生徒達のやりとりも、舞台っぽいけど藤野役の平井亜門以外は現役高校生世代の子を起用してるからか、さほど違和感無くすんなり受け入れられた。
最初は暑苦しく思えた厚木先生(目次立樹)も次第にグラウンドの熱気の代弁者として物語の潤滑油になっていて良い感じだった。
努力だけが取り柄の控え選手・矢野君が最終的にプロ入りを果たすなんていうのも夢があって良いじゃない。
物語の中で繰り返される「しょうがない」という台詞を象徴してる送りバントのくだりも人生訓のようでなかなか深いと思えた。
お馬鹿キャラで売っている黒木ひかりが学年トップの久住役。だけど、おバカなところなど微塵も感じさせず、しっかり優等生になりきっていた。まあ、本当におバカだったら主要キャストに起用されないよね。
学校一の秀才・宮下役のラストアイドル・中村守里も凄く可愛かった。
全体的には舞台が好きな人向けだとは思うけど、そうじゃない人も見て損は無いなかなか興味深い作品。
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