「ジワジワくるスルメ映画」最初の晩餐 tomatonさんの映画レビュー(感想・評価)
ジワジワくるスルメ映画
例えば、10年間一緒に過ごしたらいったいどれくらいの食事を共するのだろう。私たちの体は食べたものできている。同じご飯を食べることで、体の中からなにか絆が生まれるじゃないかなぁ。と映画を見ながら思った。
誰にでもある日常。ちょっとした心の傷。言い出せない思い。家族だからこそわかり合えて、わかり合えない。そんな心のヒダをとても丁寧に描いている作品だ。主演は染谷将太演じる麟太郎だが、彼が中心のようであって中心でない描き方をしているので、自分に近しい人に思わず感情が入ってしまう。私は戸田さんと森七菜さんが演じる美也子が主人公のように思えてしまった。家族映画にありがちな、こんな家族っていいよね。的な押しつけもない。新人監督が脚本まで手がけ、その脚本に見せられたて、これだけのキャストが集まったというのもうなずける、良質なスルメ映画だと思う。
コメントする