ガリーボーイのレビュー・感想・評価
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悲しい宿命
自分はヒップホップのことは全く知らないし、興味もないし、日本語訳ではリズムしかつかめず、韻は分からない。
ただ、見事な“音楽映画”だったし、本場のラップにクオリティで負けていないだろう。
女性監督が、実に男臭い世界を描いたことにも驚いた。
とはいえ、最近、自分はインド映画を見過ぎているのだろうか?
新鮮な感動は得られなかった。
恋愛、貧富の格差、欧米崇拝的な嗜好、ハートウォーミングな話。
クサくて、予定調和な、“王道”を行くストーリーに、食傷気味な自分に気づいた。
興味深かったのは、この種のラップの“悲しい宿命”のようなものが、見て取れたことだった。
豪華なスタジオで収録したり、ミュージックビデオを撮影するのは、白々しくて気の抜けた炭酸飲料のように見えた。
むろん、いつまでも“ユーチューブに投稿”というわけにはいかないので、きちんと録音・録画する必要はあるだろう。
しかし、もはや、切れば血が出るようなフレッシュで、何が飛び出てくるか分からないような、危険でスリリングなものではなくなっていた。
完成度が高くなればなるほど、退屈になる矛盾。
実話をもとにした映画
一重にシェールの存在感が素敵でした。
彼の人となりと懐の深さがなければガリーボーイは生まれでなかったと思わされるほど。
ガリーボーイの彼女の許烈さと、それでいてお互い惹かれ合うのも、これまた違った意味で懐が深い方たち。
純粋って、そういう事なのかもしれないなって感じた映画でした。
楽曲が相当良い
内にあるものをマイクにぶつける瞬間、そのパワーに圧倒され泣いた。
流石インドエンタメ、2時間30分以上あるってのにまったく飽きさせない。
綺麗事では済まされない貧困、格差の描き方もリアル、複雑なイスラム文化とカーストについても、良い部分も悪しき部分もあるから正解なんてないんだろうが、自分たちの思いをストレートにぶつける姿勢は勇敢で気持ちがいい。
女性達の迫力がある気の強さも爽快だ。
シークレットスーパースターでもそうだった様に、貧困から抜け出そうとするあまり、学費を出してる親の押し付け感が凄い。
勉強が苦だった身としては、もうそれだけで悪に見えてしまう。
そんなベースがあるからこそ、ステージパフォーマンスが際立って開放感に満ち溢れ、大興奮なわけだけど、単純に楽曲がとてつもなく良いので、それだけでも価値がある。
若々しく熱い青春音楽映画
独特の歌やダンスで特徴付けられるインド映画が、ラップとこんなに親和するとは驚いた。黒人の差別や貧困の歴史が、インドの根深いカースト構造に重なり、ラップの持つ怒りや反骨の側面が、力強くクローズアップされる形となった。
定番の青春サクセスストーリーで、捻りはないが、インド映画ほど屈託なく定番を押し通すのが上手いコンテンツはない。
恋に、将来に惑い、社会の下層で鬱屈する若者が、ラップという武器を得て力強く立ち上がる様を、『パドマーワト』では外連味たっぷりの悪役姿が目を引いたランヴィール・シンが、等身大の人間らしさに溢れた演技で、観客の共感を呼び起こす。
主人公をちょっと気持ち悪いほど善人に描くインド映画が多い中、主人公ムラドを、友人の犯罪行為に荷担したり、一夜の浮気に流されたりと、弱さも併せ持つ普通の若者として描いているのが新鮮だった。
とは言え、インド映画スターの大物オーラは隠しきれない。胸に沸々と燃える怒りを、無言で噛み殺すムラドの目力の強さ!視線で人が殺せるレベル。胸筋ありすぎてワイシャツ似合わな過ぎだし。後にパンフレットで、ラップも全てご本人が歌っていると知って驚愕した。何者だこの役者!
サイドのキャラも立っている。
ムラドの才能を後押しするラッパー、シェール。懐深く面倒見の良いアニキ分で高感度が高い。犯罪に手を染めながらも情に厚い友人モイン。懐に入れた人間は、自分の益を投げ打ってでも助けるのが、インド映画の熱い所。
中でも特出しているのが、ムラドの恋人・サフィナ。インドに於ける女性の不自由さを描く役割も担っているのだが、従来の女性キャラとは一味違う。嫉妬による乱闘を傷害事件に発展させ、男友達に対する「言う事聞いてくれなきゃアンタと結婚してやる!」発言が脅迫になる女。一方で、恋人に会うのにいそいそと髪や化粧を整える可愛らしさや、自分が女医になって稼ぐから迷わず夢を追えとムラドの背中を押す強さ。『バーフバリ』然り、インド映画には時に苛烈な女性が登場するが、ステレオタイプでない不思議な魅力のあるヒロインだった。もう少しばかり沸点コントロールできるようになって、ちょっと流され易そうなムラドの手綱をしっかり握って欲しい。
ラップという特殊な言語形態を訳す字幕担当者様には、大変なご苦労があったと思う。正確性は解らないが、詳しい方の監修もあったようで、詞として気持ちよく受け取れる巧みな訳になっていた。
が、ラップのリズムに会わせて結構な速度で字幕が流れていくので、文も読みたい、ランヴィールの表情やキレキレダンスも見逃したくない私はジレンマ状態。諦めてリピート鑑賞するべきか…。
音楽映画に通じて言える事だが、この作品は特に、応援上映に向いている。
インドの映画館の観客ばりに、ラップパトルにヒューヒュー言い、ライブシーンで拳を挙げながら鑑賞するのが、多分一番面白い。
映画館様、是非検討を!
SNSするにもお金かかるよねー
「シークレット スーパースター」に近いけど
ラップってのは馴染みがないせいか
ふーん、て感じで終わっちゃった
家族、家柄、仕事、大学、恋人
いろいろと問題だらけなんだけど
1番問題なのは使用人の家系って所
カースト制度がこの時代に存在してる事実は
どんどん取り上げて変えていって欲しいですね
どこまでが事実なのか分かりませんが、
貧困のせいにして車盗むのもサクセスストーリーに入っちゃってるよ?
浮気も絶対良くないよ?
何となく共感しづらいのは主人公が男性だからかな...?
ミュージカルではないインドの音楽映画
実在するムンバイ生まれのラッパーNaezyの生い立ちと、Divineとの出会いで音楽活動を開花させていく様子を映画化したインド映画でミュージカル作品ではない、伝記兼音楽映画として仕上がっている。
フィクションも含まれているだろうと思うが実際のNaezyのことを知らない日本人にとって、どこがフィクションでどこが実話ベースなのかが、いまいち分からないだけに、ムンバイ映画祭で最優秀短編映画賞を受賞したNaezyの人生に迫ったドキュメンタリー映画『Bombay 70』を合わせてリリースしてほしかった。
将来が決められレールの上でしか生きることができないという貧困層の負の連鎖、抜け出せない現実の描き方は時代や国が違っても似ているのだが、決定的に変わったことは「YouTube」の存在だろう。
YouTubeは才能を披露する圧倒的ツールとして自然に物語に溶け込んで描かれることになったということ。
貧困層とは言ってもスマホとタブレットは持っているムラドは、貧困層なのかという疑問は少しあるが、そのツールをフル活用するところは実に現代的である。
前半では、ムラドが音楽的才能を漂わせるシーンがあまりなく、いつから音楽映画的な発展を見ることができるのかと思わされるほど、なかなか焦らされるて、ムラドの置かれている家庭環境や登場キャラクターの性格なんかをじっくりと見せて下準備をしておいて、後半に進むにつれて一気に音楽映画的要素が爆発するという温度差を巧みに操った作品で3時間近くある上映時間を長く感じさせないどころか、ラップシーンをもっと観ていたいとも感じさせてくれる。
MCシェールが凄くいい奴でムラドだけ最終候補に残ったときも、妬みではなく、友の才能が認められたことを単純に喜びサポートに回るMCシェールを見事にいい人オーラ出した状態で演じきるシッダーント・チャトゥルヴェーディーをこの映画で凄く好きになった。他の作品も観てみたいのだが、日本ではリリースされていない作品ばかりだった。
日本ではインドの音楽に触れられる場が極端に少なく、タワーレコードに行っても少ししか置いていないだけに、映画には多くのインドのアーティストがカメオ出演しているのだが、正直言って誰がカメオ出演しているのか全くわからない。それを知っていると音楽映画としてプラスで楽しめる要素であるのに勿体ない気がしてしまう。
最近、日本がインド映画=ミュージカルという印象を観客から抜けさせようとしていることで、逆にミュージカル映画を配給しなくなってしまって、インド・ミュージカル・ロス状態に陥っている日本の映画史上だが個人的には、もっとミュージカル映画を配給してほしい。
最高の舞台で王道のジャンル映画、間違い無し。
冴えない生活を送るラッパーが現状から抜け出そうともがく話は今やひとつのジャンルと言えよう。
「8 Mile」は言うに及ばず、「パティ・ケイク$」や日本からは「サイタマノラッパー」といった名作が輩出されているが、本作もこのジャンルにおける正統派代表作のひとつとして語り継がれることであろう。
本作は舞台がインドだけに構造的により複雑で、主人公を取り巻く苦境の深刻さは頭抜けており、ドキュメンタリーとして見ても面白い。貧困成り上がり物としてはこれ以上最適な舞台は無いだろう。
とはいえ作中のバイオレンス描写は控えめで、爽やかさすら感じさせる上品で見やすい安全安心な設計になっている。
気になる弱点としては、持たざる者がのし上がるストーリーにしては主人公のスペックがのっけから少々高すぎる。
なんせ出演者の誰よりもハンサムでマッチョな肉体を誇りユニークな友達に囲まれあろうことか超カワイイ医者の娘に激烈に愛されているというなかなかの強者ぶりである。おまけにイカしたリリックをライムする才能まで持ち合わせているという、これだけ恵まれているのだから多少の理不尽な現実は我慢しろと言いたくなるが、本作の登場人物は妬み嫉みでドロドロすること無くみんな良い奴なので、見ているうちに巣立つ雛鳥を見守るかのごとく温かい心境にさせられる。
上映時間154分と少々冗長ではあり、だいたい予想される程度の困難を経て想像通りのオチに向かっていくのだが、それでもダレずに観ていられるのは、最高にキュートな主人公の彼女サフィナちゃんの存在が大きい。あどけなさが残るルックスとは対照的に、浮気相手をビール瓶でぶん殴るほどの激情を見せるなど、近年流行りの強い女性キャラの中でも最強の戦闘力ではなかろうか。彼女が出てくる場面は予測不能でどのシーンも見ていてとても楽しい。
音楽的に素人な私には馴染みの無い言語も相まって主人公の非凡さはよく分からないが、音楽の楽しさは万国共通、十分に盛り上がることができる。
ラストのキレも良く、映画館で観ておくべき見応えのある良作。
またしても傑作
今年のインド映画は目が離せない。またしても傑作のインド映画が登場…
カースト下位の「使用人」からラップの才能ひとつで這い上がるインド版の「8Miles」!
始まった時点の劇判から素晴らしくて、ライムとあわせて素晴らしい音楽映画であることは開始5分で分かる…
そしてそれを普遍的な「生き方」の問題に、昇華する素晴らしい脚本…、
登場人物もみな素晴らしいが、インド映画で悪く描かれがちな父親がなによりも苦悩を抱えている描写には涙しかない…
お父ちゃんも救ってあげて欲しい…
時間は長いけれど
面白かったので、そんなに長くは感じなかった。
実話に基づいているだけあって、見どころのあるサクセスストーリー。
インドの映画をあんまり見ることが無くて、インド社会についてあんまりよく知らないので、色々と知る事が出来た。
主人公のモデルのラッパーNaezyを知らなかったので観賞後に調べた。曲カッコいい。でも、見た目はムラドを見た後ではちょっとイメージが違うかな。
ストーリーとは別に、主人公もいいけど、MCシェール役の人がカッコよくて、惚れてまいました。あと、サフィナ役の子も可愛かったけれど、スカイ役の子がめっちゃ可愛かった。
俺の時代だ!
劇場はフロアと化し、唸り響くビートと弾け飛ぶラップミュージックに身と心を任せてノリノリで観られる、最高の映画。
しかし、単なるラッパーのサクセスストーリーにあらず。全ての人へ向けた人生そのものの映画だった。
人間関係の諸々やダークな寄り道や家族との亀裂などを、たっぷりと時間を使って丁寧に盛り込んでくれる。
登場人物が感じている苦しみも辛さも嫌悪感も、もちろん喜びも楽しさも、そのままストレートに身を貫いてくる。
厳しい格差の虚無の中、みんなガチガチに縛られて生きていた。
縛られるしか生きる術はなくて、そうする意外の道を知らない、知ろうともしない人のなんと多いことよ。
でもそういうものなんだよね。
下階層の人間は下を見ていろと、上階層の人間は上を見続けろと。
ムラドの車中のライムと、裕福な娘の涙との対比が印象的だった。
たぶんきっと、その中身は真逆だけど同じ方向を向いていると思う。
中階層くらいなのかな、サフィナの家の独特な価値観はかなりキツかったけど興味深くもあった。
医者の道を行く娘をサポートする反面、プライベートを締め上げて激しく糾弾する姿勢。寛容と厳戒の不思議なバランス。
俯くしかない人生、上など見てはいけないと呪いをかけられたようにキレまくる父親がひたすら悲しい。
ただ、スラムの下僕の生活を息子にはさせたくないという気持ちは痛いほど理解できて、別に間違ってはいないんだよなと思った。
むしろムラドの生活はスラムの中では恵まれた方なんだよね。
親の心子知らず、子の心親知らず。
這い出す夢を見て何が悪い?
どのチャンスを掴むかは自分次第。
わりとキョドるタイプのムラドが「ガリーボーイ」になる瞬間、目はギラギラ輝き堂々とラップぶちかましてくれるのがとてもかっこよかった。
場を踏むごとにどんどん自信がつき、父親にも盾つくようになったその姿の頼もしいことよ。
ラップバトルのシーンは緊張感で心臓が縮み上がる。
分かりやすいヒールのライバルはいなかったけれど、それまでの積み重ねで何が起こっても不思議じゃない環境が、ギリギリのところを責めてくる。
ディスり合いの言葉の応戦って、その場だからこそだってわかっていてもちょっとグサグサ来るじゃない。
鼓動上げてこ。終わったら握手してこ。
友人や恋人が良い人揃いでとても安心した。
シェールとムラドの反応の差に泣いてしまう。めっちゃ良い兄貴分じゃん…大好きだ!!
スカイの甘い刺激もサフィナの凶暴な愛くるしさもドキドキするアクセント。
この辺の揺らぎもバランス良かったな。結構本気でハラハラしたけどね。
サフィナの大胆な策が好き。
簡単に堕ちてしまえるこの世界。
のし上がり輝く世界に飛び込むも夢、それを応援するも夢、サポートするも夢、輝く人を見て味わうも夢。
ガリーボーイを主役に置いた映画だけど、みんながみんなラッパーにならなくても良いんだと思えた。
主役じゃない人たちの人生にもさりげなく、でもしっかりと意味を込めてくれたことが嬉しい。
王道サクセスストーリーの楽しさとヒンディーラップの快感と繊細でリアルなキツさが交互にやってきて、非常に掻き乱された。大好き。
154分という長尺。そこに生きる人たちの叫びや訴えをひしひしと感じつつ、エンタメとしてちゃんと楽しめる。
どうかみんな、楽しい人生を。私も含めて。
当たり前だけど、音楽が本当に本当に本当に最高だった。サントラずっと聴いてる。
ヒップホップってやっぱり良いなー!ガンガンに音浴びて踊りたいなー!
NASがこの映画の中でスターの象徴だったのが面白い。人選良すぎ。
GULLY BOY!!GULLY BOY!!GULLY BOY!!
Apna Time Aayega!!
【インド社会の様々な格差、虚無をライムの効いたラップで露に歌い、自らの未来を切り開いた男の物語】
ムラド(ランヴィール・シン)を囲む、友人達のキャラクターがとても良い。
13歳から付き合っている気の強いサフィナは町医者の娘で、ムラドとは身分差がある。
ムラドの綴ったリリックの素晴らしさに気付き、後押しするMCシェールと、アメリカの音楽学校を卒業したスカイ(お金持ちの素敵な女性)。
車泥棒や子供にハッパ売りをさせる悪友モイン。
自らの境遇に諦めている父親は貧しいのに、第二夫人を囲い、母親と諍いが絶えない。
ムラド自身も自らの将来が見えず閉塞感に悩む中、思わず綴ったリリックをひょんな事からラップで歌う事に。
身近な問題を鋭く抉ったムラドのラップは貧しき若者達の心を捉え、”ガリーボーイ”(路地裏の少年)としてSNSで名を挙げて行く。
そして、物語は感動的で圧倒的なラストに一気に雪崩れ込む。
<印象的だったシーン>
・悪友イモンが鉄格子越しにムラドと交わす会話。貧しさから犯罪に手を染めてしまったが、根は良い奴なのである。
・スカイにムラドを取られたと思い、サフィアが取った数々の行動。(女の嫉妬の怖さや可愛らしさをアーリアー・パットが好演している)
・父親が”現実を見ろ”と言いながら、虚無的な表情を浮かべるシーン。
・ムラドが富裕層の家族の運転手として無表情に働く姿。
〈ゾーヤー・アクタル監督とリーマー・カーグティ(脚本)の女性タッグがインドの格差社会、女性の人権などの現実にラップミュージックを軸にしながら、果敢に斬り込んだ感動的な作品〉
■今年、「あなたの名前が呼べたなら」という素晴らしいインド映画が公開されたが、この作品も同様のテーマを題材にしている。
旧弊を見直す機運が、インド映画界にも広まって来ている事を心から喜びたい。
ヒンディー語もラップがよく似合う。
もちろん思い起こすのがエミネム主演の『8 Mile』なのですが、同じようにインド・ムンバイのスラム街で育ったムラドのストーリー。ヒンディー語もリズミカルでラップには合うことがわかったのですが、こうなってくるとリズムやアクセントのない日本語ラップが置いてけぼりを食っていることも同時にわかる。しかもメッセージ色もない日本のラップ。ファンには申し訳ないがお経と変わらないと思うのです。秋田音頭の方がよっぽどラップ調だ・・・ホイサッサー。
『ホテル・ムンバイ』を観てからまだ日が経ってないのに、この映像は何だ・・・明らかにゴミの川としか思えない橋の上で逢引する二人がとても印象的。バスの席を強制的に譲らせるという国民性も驚きだったし、ダーラヴィー地区の現状を見せつけられた気分になりました。主人公ムラドが住むのもバラック小屋の密集地でイスラム教徒(人口の18%)が住んでいる。父親がいきなり若い女性を「新しい母さん」などと言って連れてくるのもイスラムならではの重婚だ。生活が苦しいのに元気なことだ・・・よーわからん。そして、びっくりしたのがロンドンからのスラム街ツアー。貧乏生活を取材させて小金を貯めるなんて・・・卑屈になりそう。
大筋はラップに目覚めたムラドがガリーボーイと名乗り、ネット上で人気を博し、徐々に頂上を目指すストーリーと、身分は違うが医学生のサフィナと親非公認でつきあってるラブストーリーの二本立て。そこに貧富の差を感じさせる社会派メッセージを取り入れている作品。
そんな貧困家庭であっても大学だけは行かせてくれている両親。家父長制を思い出すくらいに親が絶対権力を持っていて逆らえない家庭環境。そして就職するにしても「使用人の子は使用人」だとする封建社会を見せつけられる。いきなり一流企業には就職できないという江戸時代のような世の中なのだ。
ラッパーとしてのアーティスト活動も趣味の範囲内でやっていたけど、夜には伯父の家に奉公に・・・寝る暇ないぞ!いや、デートだってできない。やがて、アメリカの音楽院からやってきたスカイの誘いに乗って・・・いや、男ならしょうがないって。という恋愛の危機も見せてくれた。
面白いところ、泣き所もあるのに、154分は長すぎたか。もうちょっとテンポよく描いてくれたら満点でもいいのに。
見て良かったです
いろんな意味で見て良かったです。
サクセスストーリーですが
かなり厳しい環境なのが良くわかりました。
上映時間がかなり長いのは気になりますが、後半の盛り上がりで帳消し。
気になったのは、生活の為には犯罪しても仕方ないというのが微妙でした。仲間は捕まり主人公は運良く罰せられないでスーパースターになって行きます。
保釈に協力はしますが犯罪者には変わりがない。
カタルシスがない
ラップの歌詞がまったく響いてこなかった。
インドの身分制度も描かれてはいるんだけど、それに対する主人公の葛藤がイマイチ伝わってこないし、家庭の問題についてもそれ程悩んでいる風には見えなかったし。
何よりクライマックスがあっさりし過ぎ。
せっかくの山場なのに、ドキドキもハラハラもさせてもらえず、まるで予定調和のようにあっという間の大団円。
綺麗な恋人もいるし大学にも通ってるし、友達にもチャンスに恵まれてる人に、人生のドン底を見た時に浮かんだ言葉っていわれてもなぁ、、、
脱ボリウッド感!苦手な人でもギリいける?
試写会にて鑑賞
ラップやヒップホップ通でもないし、ロッテントマトのレビュー評価良すぎることが逆作用してあまり期待はしていなかった。でも思ったより入り込める!うれしいのは、いとうせいこうさん監修の字幕から熱いセリフをいくつか見つけることができたこと
インドのムンバイのダラヴィ(スラム地区)出身のヒップホップアーティストの実話ベースのサクセスストーリー。ってことで流れはイメージしやすいけど、インドの生活文化の基礎知識がないと、「?」ってなるところが初め多いかも。ヒンディーラップと一緒にだんだん慣れてきたら、後半のれる感じがあると思う。
ラップバトルのシーンなどリリックが今まさに生み出されてるかのような緊張感があってよかった!ボリウッドボリウッドしてないのもうれしい。(ただ、普通に歌とダンスを大勢がやってるところをみると、キャストがインド人ってこともあって、ちょっとボリウッド臭うとことある)
でも自分はラップそのものよりも、ストーリー中随所にみられるインドのスラム街シーンが衝撃的だった。(外国語のラップは字幕についてくのだけで必死でちょっぴり疲れてしまった)リオとかのファベーラみたいに、インドにもスラムツアーがあることを知った。階級社会の描写はわかってても辛い
https://ryoshooooo.hatenadiary.jp/entry/2019/10/15/200648
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