「才能の疼き」レディ・マエストロ 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)
才能の疼き
実話に基づき、差別や偏見と闘う女性を描くという意味では、エマ・ストーンの『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』、フェリシティ・ジョーンズの『ビリーブ』と同類の映画です。この二作品が1970年代であるのに対し、レディ・マエストロは第二次世界大戦前の大恐慌の頃、即ち1929年前後の話。ですから風当たりの強さや男性中心社会からの〝圧〟はもっと激しいものがあったのかもしれません。
映画の中で語られる生い立ちも事実だとすれば、一体どれほどのエネルギーがあって、差別との闘い、その後の女性楽団の設立などが実現できたのでしょうか。
感動を通り越した驚きで、唖然とするばかりです。
音楽的素養のない私には、ただ想像するしかないのですが、彼女の頭の中には、譜面を見るだけで、ひとつひとつの楽器の音や表情が浮かぶ。一度浮かんでしまった音たちについては一刻も早く実際の音楽として解放し、奏でてあげずにはいられないのだと思います。雨天続きで室内練習場のキャッチボールしかできない球児たちを、晴天の下、一刻も早くグラウンドに解き放ち、思いっきり打ったり、投げさせたりさせてあげたい野球部の監督のように。
そういう体の奥底から湧き上がってくるような、ほとんど生理的欲求に近い音楽に対する疼きがあったからこそ、あの情熱が維持できたのだと思います。
そのような疼きに関して、男女間に差があるはずがない。そう私は思います。
※ロビンは『ロケットマン』のバーニーと同じくらいいい奴でした。
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琥珀さん、コメントありがとうございます。
「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」
気にかかりながら、未鑑賞でした。ビリー・ジーン・キング夫人ですね。「失敗を恐れてはいけないわ、ひろみ」って、それはお蝶夫人。。
「ビリーブ 未来への大逆転」
こちらは全くノーチェックでした。ヒロインの弁護士役、ローグワンのヒロインさんですか。気になってきました。
頑張る女性は応援したいです。スクリーンの中だとしても。