ウエスト・サイド・ストーリーのレビュー・感想・評価
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バーンスタインの名曲そのまま
3連休と言う事もあって、昨日のドライブマイカーに続いて今日観て来た。両日とも座席は満席で、何とか前2列目で観られた。
今回は、1961年公開のオリジナル版をスピルバーグ監督が超えられるかがテーマなんだろうね。圧巻は両作品に出演したリタモレノ。スピルバーグ版でもなかなかな役どころだったよ。ダンスシーンや決闘シーンなどでオリジナル版を上回る演出があったと思うし、3万人から選ばれたと言うレイチェルゼグラーも歌上手かったし熱演だったが、肝はアニータ役のアリアナデボーズだったね。
基本的にはバーンスタインの名曲そのままにシチュエーションが多少変わっていた程度でスピルバーグ版は立派にリモデルされていたとは思うが、オリジナル版の極めつけの良さはナタリーウッドの煌めく様な可憐さが目玉だし、ジョージチャキリスのスター性も含めて昭和者の私はやっぱりオリジナル版に軍配を上げざるを得ないね。
トゥナイト♪クラシックミュージカル × スピルバーグ = 現代社会
幼少時代から慣れ親しんできた作品、バーンスタイン&ソンドハイムの名曲たちを再び映画館のスクリーンで見られる日が来るなんて!それもみんな大好きスピルバーグの手によって!大好きなマンボやアメリカが!! ベルナルドはやっぱりジョージ・チャキリスなんだけど、本作のアニータよかった。
他者を排斥する仲間意識、有色人種はすぐブチ込まれる縄張り意識、それらによる時を越えても変わらぬ対立構造。まさしく現代社会。トランプ政権下で文字通りの壁建設など如実な形で表れ益々深まった憎しみとそれによる団結、LGBTQや性の多様性も叫ばれるようになった昨今に作り直される価値のあった作品で題材。作られた分断、暴力による解決しか無理なのか?負の連鎖は断ち切れないのか?
エネルギー迸っていた!あらすじ内容自体はロミオとジュリエットの翻訳に社会問題を絡めたオリジナルをしっかりと踏襲しながら、本当になんでも撮れる映画の神様スピルバーグ御大によるパブリックイメージの大部分を占めそうなエンタメ性と特に今世紀以降にそちらに主軸を移した感もある社会性の両輪の素晴らしさたるや。本作ではその両面が見事な形で結実して、今の時代に生まれるべくして生まれた傑作となっていた。流石にべらぼうに素晴らしい演出で何度鳥肌立ってしまったことか…。トニーとマリアが初めて目を合わせるシーンや、トニーの歌うマリア等々に名曲トゥナイトもやばかった。ライティングやグレーディング等は近年の社会派作品らしさの暗さもありつつ、それが本作の舞台にすごく合っていて、かつ時にはカラフル幻想的に記憶に残る画を作り上げていて印象的だった。
コロナ前からだろうか本作の存在を知ってからずっと見たかった作品だけど、期待に違わず始終これこれこれ!見入ってしまうほどダイナミックなダンスシーンに聴き入ってしまうほどエモーショナル・ムービングな歌唱シーン(アンセル・エルゴート喉仏震えすぎ!)が名作なオリジナルの核の部分を損なうことなく見事に僕らの記憶を更新してみせた。なんなら箇所箇所によっては超えているのではないかというくらいに、また違った味付けで最大化する!最後に両サイドの人物で抱えるのが…。
名作復活
ストーリーと歌とダンス、ミュージカル映画として十分な出来だったと思います。
前作リスペクトも感じられましたし、確りとストーリーに入り込めました。前半部分がややもったり鈍重できれががなかった点は気になりましたが、後半は文句ない出来。
スピルバーグである必要あるの?
オリジナル観たことない状態で鑑賞。
近年ミュージカルムービーはハイレベルに
なってきている様に感じる。
昨年のインザハイツはまさに白眉であった。
それに比べると本作は、余りにも鈍重で
ミュージカル苦手なひとが感じる、
歌唱のたびにストーリーがとまる、を
何もアップデートせずに敢行してしまう。
そして60年代ならいざ知らず、
チンピラたちの浅慮には開いたクチが塞がらない。
そりゃそうなるよね。てか、勝手にボディ動かすなよ。
スピルバーグが何もしたいか全くわからずに
長くて退屈だった。
やはり巨匠たるものミュージカルも
撮っておかなければな、とでも思ったのか。
晩節を汚すことにならなければいいが。
最高傑作は盛り過ぎでしょう
スピルバーグには"激突""ジョーズ""未知との遭遇"(古い作品ばかりですいません)など幾多の傑作(傑出した作品)があります。ただ残念ながら、今作はそれらに匹敵する程の作品とは思えませんでした。
確かに、大人数での躍動感あふれるダンスシーンを、大画面で堪能できる満足感はありました(それだけで星3つ)。逆に言えばソレだけです。
LGBTの要素を加味したようですが、その為だけに映画1本リメイクしてしまうのは豪気過ぎでは?
さらにセットが出来過ぎで、"cool"のシーンなんかはまるでSF映画のセットで撮影してるかの様。。。画像が綺麗過ぎて、オリジナルが持っていた"画面からにじみ出るホコリっぽさ•汗臭さ"が感じられませんでした。
映画終了後に私はオリジナルの見直しを渇望、オリジナルの完成度を再認識する機会となりました。
スピルバーグはミュージカルをもっと信じるべき。
言わずと知れたストリートミュージカルの金字塔で不朽の名作「ウエストサイド物語」のリメイク版。
(いつからオリジナルは「ウエストサイド物語」で本作リメイク版は「ウエストサイドストーリー」になったのかw)
自分自身にとっても幼少期に母がよくサントラを聴いていた事もあり、特別な映画の一つである。
そう言った意味でも、いかに巨匠スピルバーグと言えども勇気があるなと思いつつの鑑賞だったが、やはりオリジナルと比べざるを得ず、いただけない部分にどうしても目がいってしまった。
特にオリジナルでは説明不足(とは全く思わないが)な部分をドラマパートで補完しようとした事はミュージカルを信じる事ができない演出家の臆病なところかなと感じた。
警察やドラッグストアのシーンは全くもって不要で、LGBTの子に至っては何の効果を狙ったのかが全く理解できず、上映時間をただ長くしただけにしか感じられなかった。
エグゼクティブプロデューサーとして名を連ねていたオリジナル版の主要キャストだったリタ・モレノ(ご存命だったとは)がジェット団が出入りするドラッグストアの女主人を演じており、仮に彼女へのリスペクトだとしても時間を割き過ぎた感は否めない。(お前が歌うんかい!と言うのも含め)
オリジナルではキレッキレのダンスと高く上がった脚で世に強烈なインパクトを残したベルナルド役のジョージ・チャキリスとラテンのノリで明るいダンスを披露したアニタ役のリタ・モレノが完全に主演の2人を喰ってしまった印象(2人ともアカデミー助演賞を獲得)があるが、それらはあくまでも偶然の産物であり、本作では意図通り全体にバランスの取れた配分となっているが、その分無難な印象を受けた。
ただ、そうは言ってもミュージカルパートになるとやはり胸が熱くなり「マンボ」、「トゥナイト」、「アメリカ」(脳が痺れた!)、「クール」、「マリア」では鳥肌が止まらないほどの感動を覚えた。
特にアニータ 役の アリアナ・デボーズのダンスとマリア役のレイチェル・ゼグラーの歌唱は目を惹くものがあり、今後注目していきたい女優になった。
またオープンセットや空撮シーンはオリジナルよりも完成度が高く思え、それだけでも十分見る価値のある映画だと思った。
スピルバーグが込めたモノ
スピルバーグが、1961年に映画化されたブロード・ウエイの名作『ウエスト・サイド・ストーリー』を、60年の時を超えて新たな命を吹き込んだ。ミュージカルは、それほど好みではないが、2時間40分の長さを感じさせずに、一流の歌とダンスを堪能した。そして、ストーリーの結末は分かっていても、十分楽しめる作品となっており、数多くのアカデミー賞候補に挙がっているのも頷ける。
オリジナルを大切にしながらもスピルバーグがこの作品に込めた思いが、随所に感じられる演出となっている。彼自身もユダヤ系ということで、迫害の過去を受け継ぐ者として、本作を単なる当時の若者の島争いとしてではなく、現代社会の中で渦巻いている、宗教や思想の違いによるテロ、国益を巡る抗争、未だ残る人種差別問題、そしてジェンダー問題までにも、警鐘を突き付けてくる内容となっている。
ストーリーは、夢を追いかけてニューヨークに移民してきた、プエルトリコ系のジェッツとポーランド系のシャークスの若者達が、互いのプライドと自由を賭けて、対立し合う物語。しかし、その対立の基盤には、移民に対する社会的差別や貧困が根強い、アメリカの黒歴史が横たわっている。
そんな、シャークスの嘗てのリーダー・トニーとジェッツのリーダーの妹のマリアが、禁断の恋に落ち、その過酷な運命に抗いながらも、真実の愛を貫こうとする究極のラブ・ストーリー。1950年代の『ロメオとジュリエット』といった内容。
マリア役のレイチェル・ゼグラーは、3万人のオーディションから選ばれたシンデレラ・ガール。スピルバーグ自らが、彼女のところに出向いて、「僕のマリアになってください」とお願いしたというだけあり、その歌声は見事で、プエルトリコ系の愁いを湛えている黒い瞳が印象的。これからの活躍も期待できる新人女優である。そして、61年版の映画を愛する人にしてみたら、当時のアニータ役だったリタ・モレノが出演しているのも、懐かしさが増すだろう。
本作では、当時のニューヨークを再現するかのように、道を走るクラッシックカー、レンガ造りの街並み、当時の衣装から全ての小物に至るまで、オールド・ファッションで埋め尽くされており、スピルバーグの細かなところまで行き届いた演出が際立っていた。
キャスティングミス?
この話の主人公は、男はカッコ良くてちょい悪。女は可憐な美女でなくてはいけないのでは?
それを男は不良の要素が一ミリもない文系優等生キャラのアンセルくん。女はあんまり可愛くないデコッパチガール。
これではいくら内容が良くても説得力ゼロですよ。
大体半殺しにして刑務所入ってた不良がチノパンなんて履くか?
ダンスシーンとか良かっただけに主人公のミスキャストが勿体ない。
特に義理のお姉さんのダンスは圧巻でした。
あー、映画見たー、って感じ
娘、妻と家族で観ました
映画観たなーって。
誰にとっても悲劇になってしまう。
ちょっとした偶然やプライドや。
分断は、幸せを産まないって、スピルバーグは言いたくて創ったんだろうと家族で話しました
1961年版も、以前に2回ほど観ましたが、観た時の年齢や人生経験もあったのかあまり感激しなかった気がしますが、スピルバーグ版の今回のは、胸が締め付けられる思いだった
ミュージカル映画の王道
初公開から60年以上経ってあらためて作られたこの作品を見て、脚本、音楽、ダンスどれをとっても素晴らしいの一言。
スピルバーグ監督が、どんな批判を受けようともこの作品を残すっていう気概を感じた。
自分自身も、今更この作品を作る意味あるのかって思っていたから…
だけど、時が経ってもいい作品はやっぱりいい。
これぞミュージカル映画!
スピルバーグがつくる、157分のミュージックビデオ
誰もが知っているミュージカルのクラシック。
ミュージカル映画として、楽曲を目と耳で存分に感じることができる作品だった。
それは作品すべてが何本ものミュージックビデオで構成されているようだった。素晴らしい歌唱と、多くの人間やセットが音楽に連動する様は、高揚感にあふれる体験だった。imaxレーザーでの鑑賞がよりその体験価値を高めてくれた。
負の連鎖を断ち切るためには誰かが「許す」ということを行わないといけない。そして愛の力は理屈じゃないもの。なによりも強いもの。だと改めて感じさせられたストーリーだった。
『アメリカ』の群舞シーンは1961年版超えだと思う。主役の二人も1961年版より良い。しかしラストで腰砕け。ウルウルの眼も乾いてしまった。
①名作「ウェスト・サイド物語」をリメイクするなんて勇気があるなぁ、しかも監督がスピルバーグとは(私はスピルバーグは映画作りが巧いのが災いして子器用な監督になってしまったとあまり評価していません)どうなることやら、と思っていたら、USAでの評価は大変良く、スピルバーグ見直しの機会になるかと観に行って来ました。確かに映画としての質は1961年版に負けないとは思う。(1961年版は監督のロバート・ワイズも名匠とは言えないし共同演出ではあるけれども)。②1961年版は、それまで舞台・スタジオセットで作られていたミュージカル映画を実際の街の中で撮影した画期的なミュージカル映画だったので、今回も何か画期的な創意が有るのかと期待したが残念ながらそれはなかった。③群舞シーンはどれも素晴らしい。振り付け師の才能であるし、カメラワークの巧さのせいでもあるが、USAのミュージカルダンサーの層の厚さにはいつも感心させられる。④肌を浅黒く塗っただけでどうしてもプエルトリコ娘に見えなかった1961年版のナタリー・ウッドに比べ、母親がコロンビア人だけあってレイチェル・ゼグラーのマリアは不自然さはない。ミュージカル映画は本人が歌えるのに越したことないし。アンセル・エルゴートも、どうしても更正した元不良少年に見えなかった1961年版のリチャード・ベイカーに比べ元ストリートギャングらしい雰囲気を漂わせている。難しい振り付けの躍りはスタントにしたみたいだけど。⑤ジェット団とシャーク団との決闘の後(「死人は出さないぞ」と言っときながら出してしまった警察は何してたんでしょうね。)、恋人たちを待ち受ける苛烈な運命を知っているからこそ、ラストに向けてどう盛り上げていくかが見処なのに、畳み掛けるようにして盛り上げるというより拙速して失速した感じになってしまった。ラストだけ取って付けたように舞台風になってしまったし。これならいっそこのミュージカルの元ネタである『ロミオとジュリエット』のようにマリアがトニーの後を追う結末にした方が劇的効果は上がったかも。⑥恋人たちが辿る悲しい運命によって対立し憎み合うことの愚かしさを浮き彫りにした1961年版から60年余が過ぎても世界から不寛容、差別、対立や分断、それによる争いは減っていない。否、増えていると言っても良いかも知れない。そういう現代にこのミュージカルを甦らせるにはそれ相応の意味があるべき。しかし1961年版やオリジナルのミュージカルには無いようなメッセージは感じ取れなかった。プエリトリカンであっても白人と結婚し街の母となったヴァレンチーノの人生をミュージカルにした方が現代に寛容と融和の尊さを訴える映画になったかも知れない。
スピルバーグらしさ
オリジナルは昔、年末にNHKとかでやってて、見た記憶があった(基本吹き替えで歌だけオリジナルだったような)
スピルバーグがリメイクということでどーだろうと思ったけど、誰もが知ってるスタンダードなので、スピルバーグらしい演出が際立って面白かった。
ミュージカルあまり得意でないけどダンスとかパワフルだった
スピルバーグはやってないジャンルを次々と監督してる感じだなあ
長さを感じさせない古典的ラブストーリー
156分の長尺で、聞き馴染みのある音楽と素晴らしい歌声が響き渡る。何より照明技術が素晴らしかった!トニーのトゥナイト、何度でも見たい。若者たちの力強いダンスも生命力に溢れてます。
移民との共存の難しさは現代の世界中でも起こっていて、60年の時だけでは解決してくれないのだなと思う。
芯持って力強く生きるアニータ、生きたいと願うマリア。女性の立場が弱いのも、まだまだ世界中に横たわっている問題。。
決して悲観的になるのではなく、この物語を明日へ活かせるように。ミュージカル映画として、長さを感じさせない良作でした!
バーンスタイン!
彼の不滅が証明されたような映画。
僕らのスピルバーグが優しい切り口ながら、現代を…
でも、最後にスピルバーグマジックを、希望を期待してた。
それは僕ら自身かな。
スゴイ入の洋画でしたが、これからもみんな見て、希望をみんなで叶えたい。
なくなった運動場
1 ニューヨ−クのスラム街を舞台に、2つの不良少年グループの抗争と禁じられた愛の行方を描く。ブロードウェィミュージカルの二度目の映画化。
2 1961年版の前作から半世紀振りの再映画化となった。時代背景やメインスト−リ−は概ね前作と変わりはない。その中で、佳曲揃いのナンバーや切れの良い群舞に彩られたシ−ンはやはり心に刺さる。とは言え、前作をTVで初めて見たときのインバクトに比べれば感動は少ない。とりわけ、ク−ルのナンバーは、前作と本作では入るところが違っていたが、群舞の迫力と完成度は圧倒的に前作が優っていた。
3 前作は、舞台版も手掛けた演出家が共同監督となり、セットを活かした舞台ミュージカルの趣きがあったが、本作はカメラワークや空間の使い方がより映画的であった。
2つの映画版の大きな違いは、決闘の目的の明確さにあった。シマを巡る争いに違いはないが、前作は運動場の争奪であった。しかもファ−ストシ−ンとラストシ−ンも運動場であり、舞台としても効果的に使われた。これに対し、本作は、シマは特定されてはいない。しかもこの街には、居場所はなくなるとさえ言っていた。どちらが先に出ていくかみたいなこととなる。こうしたことから、どこでもない夜のストリート上でラストを迎える。味気ないものとなった。
4 スピルバーグの演出では、決闘で使うための銃の扱いや決闘場所を尋問するための警察署の場面などサラリと流せば良いところをもたついていたり、国籍や言語にこだわりすぎていた印象を持つ。
5 俳優ではリタ・モレノの扱いは敬意を示したものであり、効果的な役どころとなった。
マリア役は目が印象的なラテン系の女優を抜擢したが、前作のナタリ−ウッドの美貌にははるかに及ばなかった。
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