「大作であるのは認めるが、映画として何がいいのかさっぱり?」ウエスト・サイド・ストーリー K2さんの映画レビュー(感想・評価)
大作であるのは認めるが、映画として何がいいのかさっぱり?
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IMAXで見ました。
舞台や前作のノスタルジーがなければ楽しめない作品かと。
(ノスタルジーがあっても正直、これを映画として十分楽しめるのだろうか?)
歌もダンスも超一流、というのはわかるがそれだけで映画として素晴らしいかといえばそんなことはないでしょう。
舞台上の歌と踊りで完結する戯曲としてはアリだろうが、映画のプロットそしては無理がありすぎる。
それがミュージカル映画といえばそれまでだが、少し前に見たIn The Heightsは十分楽しめたし、Catsも猫コスプレの違和感に慣れるまでに少し時間がかかったが、没入してしまえば楽しめた。
しかし、この映画は全く別。
そもそもストーリ展開やキャラクターの感情の動きが不自然すぎるし、そこのギャップはいくら俳優の熱演があっても埋まらない。つまり、脚本以前のプロットの問題。
殺人や愛する者の死といったシーンと、ミュージカル(突然歌いだし感情を表す演出技法)は、シェイクスピアやオペラの舞台ならまだしも、映画の中では相性が悪すぎる。
単純に不自然さが大きすぎて覚めてしまう。
ダンスや歌のシーンはそれぞれ完璧で、映像作品として十分楽しめたし、代金分の元は取れた気がします。
しかし、何の先入観もなく見たら、映画としては金のかかった豪華で完璧な映像と才能のある俳優たちの演技で作られた駄作と言えます。
映画で一番大事なのは、上映時間中、日常を忘れて映画の世界に没入できることだと思うので、巨匠が作っても、自分にとってつまらない映画はつまらない。
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