「古典の翻案」ウエスト・サイド・ストーリー よっちゃんイカさんの映画レビュー(感想・評価)
古典の翻案
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ウエスト・サイド・ストーリーは元の舞台等々は未見。
しかし、タイトルだけは知っていた。
事前に調べて元のウエスト・サイド物語自体がロミオとジュリエットにインスパイアされた作品だということを知った状態で見た。
まず舌を巻いたのは原作者(あるいはスピルバーグ監督)の翻案の上手さである。
特にロミオとジュリエットでは仮死の薬を使った計略ですれ違うのを、ジェッツの面々がマリアの伝言を預かっているアニータを襲おうとしたことによって怒ったアニータが嘘の情報を言うにしたのは凄まじい。
計略がうまく伝わらない悲劇性よりも人の復讐心の愚かさ(特にジェッツの面々)が強調されていてより人々のすれ違いが身近に感じられる良い翻案。
舞台は現代に近いアメリカながらどことなくロミオとジュリエットの前近代的な香りも感じれてウエスト・サイド物語が再演を重ねる理由もわかったし100年後も上演され続けてるんだろうなと思った。
さて、映画本編の話だがまず目を引くのがとてもよく練習されたんだろうなと思わせる緻密に練られたダンス。
これに尽きる。
ダンスに関してはどの場面でも圧巻でどれだけ練習されたんだろうと思わせるほどでワンシーン撮るのに1ヶ月かかってそうと思うくらいのカット割と揃いっぷり。
さらに舞台を見てみたいと思うナンバーが多かった。
マリアとトニーが出会うダンスパーティーのシーンなんか舞台の客席から引きで見たほうが面白さが出るんだろうなとも思った。
勿論スピルバーグ監督もカメラワークで最大限工夫されていてその場にいるかのような臨場感たっぷりの映像だった。
演者も皆最高。
特に印象に残ったのはマリアの最後の台詞、アニータが怒りをぶつける場面。
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