「三池崇史に泣かされた瞬間・・・」その瞬間、僕は泣きたくなった CINEMA FIGHTERS project kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
三池崇史に泣かされた瞬間・・・
オムニバス映画「CINEMA FIGHTERS project」の第3弾とのことですが、前2作は全く見てませんでした。あ~、これなら観たいわ!と今さらながらに思ってしまいます。
#1 Beautiful
アパートの自室で首吊り自殺を図ろうとしていたEXILEのAKIRA。実は同じ頃、階下の住人蓮佛美沙子も多量の薬を用いて服薬自殺を図ろうとしていたのだ。そして、突然襲ってくる大地震。二人の運命やいかに・・・といった内容だったが、これが涙腺決壊の原因。監督名を見てビックリしてしまいました。数多く三池作品を観てきてはいるが、泣かされた映画は初めて!てか、作風違うでしょ。いや、それより映画が上映されて最初の20分で泣いてしまったことも初めてかもしれない・・・文句なしの★5
#2 魔女に焦がれて
中学時代に告ったが振られた女子・真莉愛が雅人に声をかけてくれた。彼らも高3となり、受験勉強も追い込みの時期、進路問題で父親と意見が対立していることをズバリと予言してくれたのだ。友人にそのことを話すと、あっという間にクラス中に広まり、真莉愛に恋愛相談、進路について占ってもらう生徒が続出するのだが・・・といったストーリー。進学校なのだろうか、恋愛話もみなプラトニック。可愛らしい作品なのだが、魔女へのヘイトという問題も提起していたかのようだ。
#3 On The Way
5作品の中では異色。アメリカへと入国したい移民たちにボランティアで食料や衣服を届ける仕事を任された健太。彼らに同情し、つい車に乗せようと提案するのだが・・・といったストーリー。この作品だけ海外ロケ。しかもドキュメンタリータッチで撮られていて、移民問題や、その移民たちから暴利を貪ろうと集まるマフィアの存在。小さな親切心も大変な事件に発展する点や、移民問題の現実を描いていた。
#4 GHOSTING
2009年、満月の夜。若者バクは交通事故で死んでしまう。死者が過去の一日に魂として戻れることを知らされたバクは、1999年に亡くなったガールフレンドのメイの一日を選ぶ。これも結構泣ける。過去を変えることはできないとわかっていても、その一日を大切に過ごすことができればいいという考えだったのだろう。そして、短い時間の中で思い切り時空を飛び越えるファンタジーへと変化するのだが、結末を無感動で過ごすわけにはいかなくなる・・・
オールナイトの映画館というのもかなりキモ。昔はよくあったと感慨深くもなるのですが、映画についての会話がまたいいのです。「映画は何が一番好き?」から始まるがひそひそ話なので聞き取れない。「だけど『2』は駄作だよね~」などという言葉に続き、未来から来たバクは『3』の方が面白いよ。『4』だって・・・と、1999年当時に流行ったシリーズ映画は何?と気になってしょうがない(汗、焦)。音声を聞き取ろうとするも、そこには葬儀屋のコマーシャルしか流れてないのだ。気になるぅ・・・
また館内にあるポスターは『LAST GIRL STANDING』とあったが、調べてみても違う雰囲気。これも気になる作品・・・映画好きやな!この監督。しかし、『セカチュー』で映画オタクぶりを披露した行定監督作品は5番目だ。
#5 海風
横浜のヤクザもの。兄貴と慕われる蓮は一人の娼婦を見かけるが、やがて彼女を母親を思い出す存在となるのだが・・・といったストーリー。他の4作が若者向けといったイメージだけど、これは熟年層向きなのか?映像や作りはしっかりしているけど、泣けなかったよ。
有名監督が最初と最後を受け持っていましたが、やっぱり三池崇史の新境地という点で『Beautiful』が最高!次点は『GHOSTING』ですかね。