犬王のレビュー・感想・評価
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現代に通ずる過去の歌
実在した犬王をモデルに、アヴちゃん演じる犬王と森山未來演じる友有が描く物語。
物語としてはハッピーエンドとは言えないが、結末に至るまでの犬王と友魚の苦悩を見れば、幸せな2人を感じ取ることができる。その一助となるのが、アヴちゃんと森山未來の歌声である。
アヴちゃんの次世代を担う歌声は、異形から美の化身へと生まれ変わる犬王の声そのものである。そして、そのアヴちゃん改め犬王の歌声へと我々を誘うのが友有、森山未來の優しくも力強い歌声である。
また個人的には、犬王の歌から歴代のアーティストの曲調を感じ、その名前からも音楽界の貴族たる歌力を感じ取った。まさに、現代に蘇るライブである。
甞て栄光を誇った平家の無念や怨念に寄り添うエネルギッシュな作品
最初に、この作品はグロテスクな描写があるのでそういうのが苦手な人はやめておいたほうがよいと忠告させて頂きたい。
この作品は、最近見たガリーボーイを思い出すようなミュージカル的表現を全面に押し出した作品だ。2021年にその名も『平家物語』というアニメが放映されおり、この作品はその一年後のアニメ映画作品。個人的に2022年に厳島神社を訪れており、縁を感じて気になっていたので視聴。平家物語が最近になってクローズアップされる理由は、バブル期の日本を懐かしみ今の日本の状況を憂う作り手達の本能によるものなのかなと本作内容にはあまり関係ないが思う。
作画表現は一品。テーマ性も悪くない。しかし個人的にミュージカルの映像表現によって展開にダレを感じた。映像表現はとても良いので、アニメおたくにはお勧めたい。内容的には歴史好きにももちろんオススメだ。
最後に、日本神話が好きな自分としては、三種の神器の一つ草薙剣を海から引き上げた時の描写が、シーンは短かったが強く印象に残った。三種の神器は、実際存在するもの(海に沈んだり行方不明になって再度作られたものもあるだろうが)であり、一般に目に触れうるものではない。そういう日本の文化の中で大切で重要なものを、フィクション内ではあるものの実際にあるものとしてその凄まじい霊威を表現した勇気と表現力を称賛したい。
見届けようぜ
当時の能楽師をロックで表現されているのが斬新!
アヴちゃんの歌声に惚れてまうわ(//∇//)
犬王という実在した人物
気になった点は
①仮面をかぶっている
②見た目が人と異なっている
③舞台に立つにつれ体を取り戻す
①については、「素性を見せない」という思いが込められていて、犬王が後世に名が広がらなかったのとリンクさせている
②について、生活の環境や、性格、出来事を、表現しており、幼少期の頃で例えると、残飯を食うシーンや、親から捨てられている事実、悪ガキのように街を駆け走るシーンが見られます。
③にかんしては、思い浮かんだのは どろろ
しかし、どろろとは異なる表現をされており、
どろろの場合は、体の部位を取り戻すことで、聴覚や視覚、痛覚などの大切さを伝えた作品
犬王では、体を取り戻すとこで、周りに認めてもらうなど、犬王という自分を捨てるという思いが込められていた
決定打なのが、仮面を取った後の出来事だ。
犬王は友魚とは違う道に進み、足利義満の言いなりになったことにより、犬王という名を捨てたこと
琵琶を弾かない琵琶法師はいらない
時々この映画を思い出してしまうので、レビューを書いてこの映画への執着を終わらせたいと思います。
自分は能の音楽が好きなので、この映画でどんな風に現代化されるのだろうかと楽しみにしていましたが、大変がっかりしてしまいました。
日本の伝統音楽といえば琵琶とか三味線とか楽器(音色)でイメージされがちですが、それだけでなくリズム感にも特徴があります。
特に能は、緩急が一句一句についているし、その緩急を導き出す間の取り方、密度の作り方が他の芸能にも増して際立った特徴をなしています。
大鼓が大きく一拍をとって、小鼓が従いながらも駆けていく。笛がメロディーを吹いているように見せかけて、リズムを主張しながら大鼓と小鼓のやりとりに絡んでくる。そしてここぞという時に全てをさらっていく太鼓のリズム。
歌では息を直接操って自在に緩急をつけ、しかも舞台上の空気の密度まで変えてしまう力を持っています。
このやりとりが時に喧嘩になってよくわからなくなったり、絶妙に調和して人を興奮させていくあり方が能の音楽の醍醐味です。
だから『犬王』では、日本の伝統的な音色でなくていいから、欧米発の楽器を使ってでもこのリズム感を現代人に聴かせて欲しかったのですが、最後まで一昔前のロックでした。
自分もロックは好きなんですけどね。
能とジャズは似ているとはよく言われます。ジャズ要素を取り入れてもよかったんじゃないでしょうか。
他にも能のセリフ、息遣いといった要素などを表現するならラップでやってみてもよかったかもしれません。
製作陣は能の舞台をちゃんと見たんでしょうか。初め何回か見ても眠いだけかもしれませんが、少なくとも犬王に影響された世阿弥がどんな舞台をどんな技法で作ろうとしたか理解するまで見るべきだと思います。芸術家なんだからそれくらいやってほしいです。
琵琶の音は聞こえないし、リズムも西洋音楽に乗っ取られているし何のための琵琶法師だったのかいまだにわかりません。
琵琶を弾かない琵琶法師が一人処刑されたところで、何の感慨もありません。
以上、才能もやる気もない自分がたらたらと書いてしまい申し訳ありません。
アブちゃんはすごくよかったと思います。
見届けようぜ
斬新な平家物語と犬王
「犬王」見た。アヴちゃん、森山未来、古川日出男原作、野木亜紀子脚本ら注目度満点の映画。平家物語をベースにしたアニメでミュージック映画。広島のアニメーションイベント2022でも取り上げられたが都合で見れず遂に見ることができた。
ハードロック系音楽が斬新だが年齢なこともあり、心に響かなかった。
歴史に葬られた能楽師と、盲目の琵琶法師の波乱の人生
凄いものを観させて貰いました。
世界が賞賛するのも納得の奥深さ。
よくもこれだけの才能が集結したものです。
原作:吉田日出男「平家物語 犬王の巻」
監督:湯浅正明
脚本:野木亜紀子
音楽:大友良英
ミュージカル・アニメーションです。
室町時代に実在した能楽師・犬王と、その無二の親友で相棒の
盲目の琵琶法師・友有(幼名・友魚→友一)の波乱の生涯を描く。
後になって思えば、2人は時代のあだ花。
パッと咲いてパッと散った大輪の花&花火。
(ステージは記録されなければ残りません)
しかし、犬王と友有のパフォーマンスは室町時代の大衆(庶民)の心に
確かな記憶と引っ掻き傷を残した筈です。
出演者ではアヴちゃん(犬王)
(アヴちゃんのためにこの役があった)
(性別不詳・正体不明・・・年齢非公表)
(本人は平家の末裔と自称する。女王蜂のボーカル)
アヴちゃん・・声に張りと艶。力強さそして裏声(ファルセット)
…………………………歌唱力抜群。カリスマ性も合わせ持つ。
森山未來・・最高のパフォーマンス。盲目の琵琶法師は彼のためにある。
……………………歌の素晴らしさに驚きました。軽々とROCKしている。
……………………プロの舞踏家なのは知ってたけれど、歌もプロ級。
……………………声に哀愁とサビそして強かさがある。
この「犬王」
実写で観たい、とても観たい。
森山未來は踊れるんだし、アブちゃんもきっと踊れる。
CG&VFXそしてスローモーション&ストップモーション
部分アニメも使って!!
犬王と友魚(ともな)のパフォーマンスは、野外ロックフェスティバルの演目、
コンサートみたいだった。
犬王の「鯨」
影絵や明かり松明のパフォーマンスに、動きは荒唐無稽。
民衆が総立ちで手拍子打って踊って、
友魚の琵琶は背中に担いで曲弾きしたり、
太鼓はドラムだし、琵琶とデッカい琵琶のもう一本は、ベース。
まるでbandだ。
2回目を観て、分かったのは、
犬王が最後には異形(手足はコンニャクのお化けみたいだった、)
から普通の顔と身体に変わっていたこと。
これはひとつ芸を覚える度に、身体を手に入れていたのね。
キチンと台詞で説明があった。
しかしパッと見では内容が完全に把握出来ない。
平家の落武者の亡霊が犬王と友有(友一=友魚)には、見える。
彼らの恨みを晴らす、
そんな主張も2人にはある。
友魚の父親が殺されてたくだりとか、
犬王の父親が犬王を妬んでるくだり、とか!
一回見ても理解不能だった。
壮大な歴史ストーリーで、
おまけに、
平家の亡霊が見える設定とか、
だからこそ素晴らしいし、
何回も観たくなる。
柄本佑(足利義満)
津田健次郎(犬王の父)
松重豊(友魚の父)
とても適材適所でした。
もう一度言いますけれど、
同じキャスト・スタッフで実写版を観たい。
ガラパゴス・ジャパンのこれぞ本領を発揮したアニメ。
これはディズニーにも負けない!!真似出来ない!!
世界に分かってくれる人々がいることが、
とても嬉しい。
湯浅版どろろ
なんとも微妙
やっぱり室町時代の琵琶と猿楽でロックじみたことやるのは違和感がありました。
たぶんこの監督は ボヘミアン・ラプソディーに触発されたんじゃないだろうか
犬王たちの歌がそういう曲調に聴こえたし
クイーンもしくはプログレっぽいです
中盤から歌ってばかりなのはちょっとうんざりしましたね 好みによりましょうがあまりいい曲と思えないし、特に犬王役のひとはロックバンドのひとなのでしょうか、歌い方がなんというか 日本のロック歌手にありがちなクセがあってそれが私は苦手
あとこれは非常に複雑かつなかなか語られない語りづらい話ですが
足利義満の描きかたがどうなのかなと
なんか暗君かつ暴君みたいにみえる
こりゃいちおう史実にある程度沿ってるんですかね わたしもそんなに詳しいわけじゃないしいろいろな見方をされてる将軍ですが まがりなりにも分裂していた朝廷を統一した名君だと思いますが
なんか全体的にもストーリーが納得できないというか、まあつまらなかったです
室町時代、琵琶法師が琵琶を掻き鳴らしながらロックを歌い、能楽師のパフォーマーがダンスを踊る
ゴールデングローブ賞にノミネートされたということで急遽観に行きました。もともと気になってはいたのですが見逃してました。
不思議な話が大好きなので(どういうことなんだろうって考えるのが楽しい)、この不思議な物語を楽しむことができました。
盲目の琵琶法師がいつの間にかロックを歌いながら京都の橋の上でパフォーマンス(クイーンの We Will Rock You や Bohemian Rhapsody を彷彿させる楽曲もありました)。そして平家の亡霊に取り憑かれた犬王(実在した能楽師がモデルとか)という素晴らしい相棒(こっちが主役です)であるパフォーマーの力もあり、民衆も初めて観る不思議なパフォーマンスに夢中。犬王に煽られてノリノリでヘドバン?は大袈裟ですが、歌に合わせて拳を突き上げ、ダンスをするものまで。僕もこの楽しいパフォーマンス(映像)に引き込まれました。極めつけは足利義満の前でのパフォーマンス。前半はバラードで優雅に、後半はロック(Bohemian Rhapsody 風)で激しく。何とも美しいパフォーマンスでした。
壇之浦の戦い、南北朝、足利義満、世阿弥といった日本史でお馴染みの事件や人物との絡みもあり興味深く観ることができました。
600年の歌
能楽なんてまるで馴染み無い世界。言葉通り能を付けて演技や舞踏をする日本の伝統芸能。
二つの朝廷が睨み合っていた南北朝~室町時代に実在した能楽師・犬王を、大胆解釈で描く。
映画祭でも軒並み評価は高く、何より鬼才・湯浅政明監督の新作という事で鑑賞。
が、馴染み無い世界。話や設定も入り難く…。独特の湯浅ワールドが拍車をかけ、正直期待ほどではなかった。『夜は短し歩けよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』の方が好きかな…。
劇中たっぷり披露される歌唱やパフォーマンスは圧巻!
伝統芸能・能を題材にしていながら、ロック・ミュージカル。
琵琶をギターのように弾き、現代音楽が鳴り響く。
湯浅監督ならではの異色さと斬新さ。
大友良英による音楽や楽曲が素晴らしい。
見事な歌声を聴かせてくれた主演二人のボイス。
犬王の声はアヴちゃんとか言う中性的な魅力のバンドのボーカル。本業なので当然だが、驚いたのは森山未來の上手さ。
魂の熱唱は聞き応えがあった。
醜い容姿故面を被り、人を食ったような言動の犬王。
ある呪いで盲目となった琵琶法師の友魚。
歌う事でこの世界を生き抜いていく。
斬新で見た事ない歌がウケ、ヒット曲を連発。
その評判は人々や朝廷の耳にまで入るのだが…。
時代の寵児というのは瞬く間に稀有な存在となり、その存在を疎ましく思われる。
朝廷から不要とされ、彼らの末路は悲しい。
地縛霊となってこの世をさ迷い続ける友魚。
そんな彼をようやく見つけた犬王。
悲劇的でもあるが、天に召されていく。
600年の時を経て。
彼らの歌は時代に届く。
今まで見たアニメ映画の中で一番嫌い
嫌いポイント
・絵が気持ち悪い(これは個人の好き嫌い)
・犬王の素顔がダサい
・声優の演技がクサくて見てて恥ずかしくなる
・伝統的な能が古くてつまらないものと描かれ、犬王と友魚のパフォーマンスが斬新で素晴らしいものとして描かれている。それはいいが犬王と友魚のパフォーマンスはまんまマイケルジャクソンやクイーンといった往年のスターの模倣だった。中世日本にポップやロックを持ってくるなんて異世界転生なろうみたいだと思った。
・動きがカクカク、カットの使いまわしが多い。予算が少ないのか?
・ロック=斬新でイケてるというような、いかにもオッサンが作ったような映画だった
・キャラデザ、歌、パフォーマンス全てがダサくて見てて恥ずかしくなる
良かったポイント
・アヴちゃんの歌が上手い
・最初の雨のシーンが渋い
・悪い父が死ぬシーンの肉片描写が良かった
体験型映画 音楽のバランスがちょうど良い
タイトルなし(ネタバレ)
※いつも以上に個人的備忘録
女王蜂が曲提供をしているらしいというあやふやな前情報で鑑賞。
女王蜂も、何曲か知っていて好きという程度。
日本史に疎く楽しめるか不安だったが、話にはぎりぎりついていけた。
名前だけでは「ん?」となってしまっても、顔が映ると誰かわかる。デザインの妙。
ただ源平の細かいところはよくわからず……とはいえ、加点式の情報というか、「わかるともっとおもしろい」であって、「わからないとおもしろくない」ではなかったので、源平のことを少し勉強して出直したいなと思えた。
ちょうど、これはもしかして傑作映画なのでは?と気づいたタイミングでかなり具合が悪くなってしまい、劇場を出ないとまずい、でも動けない状態に。序盤を除き、ほとんど意識朦朧としながら鑑賞した。ただ、意識朦朧としながら観るには最高の映画であったかもしれない。
全289件中、61~80件目を表示










