犬王のレビュー・感想・評価
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何故?
何故エンタテインメントが産まれるのでしょう。
舞台劇とか、音楽とか、ダンスとか。
好きなだけなら、一人で趣味でやってりゃいいんですよ。
何も、批判やら低評価を受けるかも知れない、公の場に立つ事は無いんですよ
なのに、何故客前に立ち、他者に評価を求めるのでしょう?
多分、見てくれた誰かに、何か大事な事伝えるのが目的なんでしょうけど、
ほら。劇中で犬王が舞い、ステージを終える旅に、足が、手が、彼の身体が正常に戻って行くじゃ無いですか。
友魚は自らの生存意義をロックで貫こうとする訳じゃ無いですか。
人前に立つ理由って、「観客のため!」
てのは立前でね、欠損を補いたい自分が居るんですよ。
どこの誰でも無く、自分のため、自分を救うための物語なんですよ。
差別を受けて来た自分。何にも恵まれ無かった自分を救済する物語。
自分のために歌い踊り、死んでも信じたものを信じ続ける。
いいんですよ、こう言うのが。
天才と言われながらも、上手く評価されない作品も有りますよ。
自己救済の物語が湯浅政明ってのが良いんですよ。
無邪気で真っ直ぐな犬王の強さ
松本大洋の味わい深い絵に
命が宿ったかのような作画に魅了され
聴覚を虜にするアヴちゃんの
耽美な声に高揚。
変幻自在の湯浅演出と
野木亜紀子脚本が光を当てる
残酷で優しい世界。
個人的には中盤のミュージカルパートが
少し長いと感じてしまいましたが
作品の分岐点となる大切なシーンなので
飽くまで個人的意見です。
湯浅監督の初長編『マインド・ゲーム』で体感した
唯一無二の世界に吸い込まれる独特の感覚。
改憲や緊急事態条項という言葉が最近ちらほら。
また権力により自由な発言や音楽が
封殺される日が来ませんように。
音楽シーンで好き嫌いわかれる
湯浅監督らしいイメージの飛躍やキャラクター原案の松本大洋のキャラクターに引っ張られたような松本大洋が作りそうな物語展開も面白いし声優の2人は歌もうまい。平家物語がわからなくても大丈夫。
しかしライブシーン(ミュージカル的な部分がウリだからか)が長いなあー。
あと、わかりやすく客の熱狂的なノリのいいロック(音楽)をあわらすとクイーン的になるのはあんまり好きじゃないかも
裏方がガッチリ支えるから演者が引き立つ!
裏方とは作品世界においては、ライブにおける友有座の舞台演出に携わる人々であり、その観客となる市井の人々です。
特にその不特定多数のファンの発言、動作やその描写がモブキャラのそれではなく、演者と一緒に魂を揺さぶる大切な一要素となっております。
ファンタジー特性強めなのにライブ感、没入感が凄まじいのは彼らのの生き生きとした精細かつ丁寧な描写に他ならないのでは、と感嘆しました。モブキャラ一人一人の境遇や人生が透かして見えて来るみたいな感じです。
また、映画作品として裏方の実力を感じざるをえなかったのは映像はもちろんのこと、その脚本、演出です。
時代錯誤とも言えるぶっ飛んだライブ映像(褒めてます!)が案外な尺をとっていてますが物語として成立させ、骨太なテーマ(そこに有ることの大切さ、魂の救済など)を少しもブレずに展開する脚本は、丁寧な伏線回収も含めて高く評価したいです。ちょっと上から目線で申し訳ない!
いろんな気づきがあってネタバレ投稿して共感を得たいですけど、まずはこの素晴らしい物語をぜひ劇場で沢山の方々に鑑賞してもらいたくてまずはレビュー差し上げました。
本当に素晴らしい作品です。
では。
同じ音楽をギターの音で無く琵琶でやればかっこよかったはず。実際画面...
ロックショー
栄枯盛衰の芯と歴史背景はテレビアニメ『平家物語』と通じつつも、どこか手塚治虫の『火の鳥』っぽくもあり。
室町時代初期、南北朝の対立が続く三代将軍・足利義満の治世(たぶん義満が将軍に就いた1374年~犬王没1413年のどこか)で、『どろろ』の百鬼丸っぽい犬王が、『あまちゃん』大友良英さん作曲・女王蜂アヴちゃん作詞のロックンロール・ミュージカルショーをやっていました。
ノリノリな音楽が心地よく。
『ちびまる子ちゃん―わたしの好きな歌』の湯浅さんパートと、『夜明け告げるルーのうた』のダンス、『夜は短し歩けよ乙女』の詭弁踊りなどが頭をよぎりました。
音楽シーンが連続するため、人によっては単調に感じるかもしれません。
ライブハウスでのロックショーがそうであるように、若干歌詞が聞き取りにくく、日本語字幕上映の機会があれば観直したいです。
発声しなくてもいいので、頭を振って手を叩ける感じでの、無発声応援上映またはシネマティック・ライブが観たいななどとも思いました。
昨日の世界。この映画は忘れられた無念を物語る。
※「◎」から色々とネタバレ注意。
湯浅正明監督。あなたの作品を信じて観てきて、本当に良かったと思います。
正直な所、「日本沈没2020」ではあまりにもあまりにもで悲鳴をあげました。個人的には、今回の作品で決別も覚悟の上で臨みました。
松本大洋のキャラデザ、私の大好きな女王蜂のアヴちゃんのミュージカルアニメというだけで期待は凄くあったのですが、逆に「これでダメなら本当にダメだろう」とも思ってしまっていました。
それだけに、期待以上の作品過ぎて、もう映画が終わってからしばらく涙が止まりませんでした。
言葉にすると途端色褪せてしまうため、まずは観てほしい。
湯浅正明監督のイマジネーション世界と松本大洋の絵が動く感動、アヴちゃんと森山未來の変幻自在な演技と歌唱が、未だかつてない夢のような映画体験を与えてくれること間違いなしです。
とにかく犬王と友魚が動いて、歌っているだけで、私は凄く楽しくなっちゃいました。
◎感じたこと
「グランドブダペストホテル」
「犬王」を観終えて、真っ先に思い出した作品がこの作品だ。この作品はシュテファン・ツヴァイクの著作に献辞が捧げられたものだ。ユダヤ人で平和主義であった彼は世界大戦時の反ユダヤ主義の対象であり、母国からの亡命を余儀なくされた。そして、ナチスが認めない彼の書物は葬られ、彼はヨーロッパの未来に絶望しこの世から去ってしまった。こうして、現代ではほとんど忘れ去られてしまった作家となった。「グランドブダペストホテル」は、正に彼の著作に出会ったウェス・アンダーソン監督が架空のホテルマンの生涯として物語り、その物語が現代に伝えられるという入れ子構造の映画になっていた。
「犬王」は正に、現代においてほぼ記録も残っていない、忘れ去られてしまった猿楽師の犬王の物語り。そして、犬王が語る物語はその時忘れ去られようとしていた平家の無念の声を聞き伝えるものであった。しかし、悲しいかな、室町幕府の王道から外れた邪道たる犬王と友有も例外ではなく、その魂の叫びは無念に終わってしまった。
いいや、違う。
彼らの無念は確かに届いた。古川日出男が本を書き、それを湯浅正明が受け取り、この映画が生まれ、それは私たちに届けられた。
そして、それは単なる歴史的理解に留まらず、現代の文法で猿楽を表現する事で、かえって忠実であること以上の人の心に伝える表現の力にまで昇華していることが、本作の何よりも素晴らしい点だ。この映画の制作陣は、正に劇中の犬王のごとく現代的能楽の可能性を作ったのだ。
そして、これでは終わらない。犬王と友有の物語は私たちに継承された。表現は、無念は、物語は、これからも継承されていく。こうして、彼らはどこまでも生き続ける。だから、この映画のラストはハッピーエンドに違いないのだ。全ての物語が未来のハッピーエンドに続いていきますように。
我が名は犬王!
なんか残念な気持ちになる作品
最前線の方々が集結して作り上げた。みたいな謳い文句だったので、期待して観にいったのですが、とても残念な気持ちになりました。
ミュージカル的な要素を含ませているので仕方ないと思うのですが、主人公達の成長の過程や、距離感などがあまり丁寧に描かれないので、物語や登場人物に感情移入する作品ではないと感じました。また芸術性に偏っている訳でもないので、なんて言えば良いかよくわからないです。アニメーションも綺麗ですが、群衆の動きは単調だったりするので、感動するほどのことはないです。
また、これはもしかしたらジョークアニメーションとして観れば、、など色々な事を考えてしまうほど、途中のライブシーンが長く感じられました。早く終わって次の展開行ってくれと願うほどです。もちろん、テンポは良い所はあるのですが、悪いところの印象の方が何か嫌な感じで今でも残っています。
全てが上手く混ざり合わないと、こういう事になってしまうんだろうなと思う作品でした。
参加している方々のファンとかでない限りはおすすめできる作品ではありません。
力作だとは感じます
ミュージカルと言うのでシングやディズニー作品みたいな楽しいドタバタ系を期待して観に行ったらハズします。
そのつもりで行ったのでハズレました(笑)
しかし作画からは力を感じました。かなりの力作ではないかと感じています。でもそこまでです。
解せないのはここまでリアル、シリアス描写してきといてなんで現代的な音楽のロックにしたのか?あそこでエレキギターのソロはないわ。
せめてギターやドラムはサポート的に使ってほしかった。あくまでこの時代の楽器がメインで室町時代のセンスを増幅創造してほしかった。
音楽だけでなく、舞台装置やダンスとかも現代的なものをそのまま当てはめただけやん。アイデアがイマイチ。
その時代、犬王友魚は斬新だったのでしょ?現代人が観る演出としては斬新では、無いね、と。
惨殺シーンや爆死描写もあるので苦手な人にはオススメできないです。
とはいえ反芻思考してしまうかなりインパクトのある作品だと思います。
歌が長い
できる限り多くの人に「映画館」で見てほしい
古典+ロック、ミュージカル耐性は不要
アヴちゃんってすごいな。
声優としてもとても上手。演技もそうだけど、やっぱり歌声。歌い出すと感動する。弦楽器のような響きわたる声。
全体的なストーリーも良いです。アニメ作画も良い。
でも、これは人を選ぶ映画です。
まず、これはミュージックではないかと思います。ミュージカル耐性は不要です。ミュージカルのように、いきなり歌い出すわけではありません。あくまでもステージで歌うので、どちらかと言うとライブという感じです。
その上で、キツかったのは歌のシーンです。
けっこう長い。言葉が少し古い時代劇っぽいので歌詞がわかりにくい。ただただエレキギター聞かされた感じ。ロックや女王蜂ファンは楽しめるかもしれませんが、こんなにロックとは予想もしていなかったので、歌のシーン早く終わらないかな、、、と思ってしまった。映画館にもよるかも知れませんが、とにかくうるさかった。
あとはやっぱり声優かな、、、俳優としては好きでも、あんなに淡々と喋られと眠くなる。やっぱりプロの声優さんを使うべきです。
ロックステージシーンが1番の見ものだと思いつつ。私はキツかった。
身体が揺れる、震える、昂る。
湯浅政明、野木亜紀子、松本大洋。
映画館に足を運ぶには十分すぎるそうそうたる名前。
観賞。
一言でいうと色んな意味で
「身体が動く映画」。
おそらく三分の二ほどが音楽シーン、
しかも室町時代が舞台のため
演奏は琵琶がメインという
かなり大胆な作りになっているため
最初は少し不安がありましたが
ふたを開けてみると
歌も躍りも演出も新しくて
退屈しない。
(ミュージカル慣れてない人や苦手な人は長いと感じるかも?)
主演の森山未來さんとアヴちゃんの
演技と歌声にとにかく惚れ惚れする。
ストーリーと演出も
二人がのしあがっていく楽しさに身体が揺れ動き、
時代に呑まれていく悲しさに身体が震える。
吸い込まれる。
※残酷なシーンも少しあるので注意。
胸が熱くなります。
ミュージカルとしては圧倒的だが
初日舞台挨拶に当選したので初日鑑賞。
最近まったく事前情報を仕込んでおく暇がなく、「犬王」も古川日出男の「平家物語」から持ってきたんだっけ、とかやや誤解しながら鑑賞した(室町時代だった…)。
「狂騒のミュージカル・アニメーション」の名のとおり、ミュージカル・ジャパニーズ・アニメーションとしては面白いつくりだなとは思った。琵琶法師と能楽師がロックをやる的な。舞台挨拶では皆当たり前のように「フェス」と表現していたが、確かにあの情景は完全にフェスだ。どっからあんな仕掛け組める資金調達したんだろうな、とか、犬王と友魚以外のメンバーどっから来たんだろな、とかすごく余計なことが頭をよぎってしまった。
正直なところ物語的な起伏というか妙はそんなに感じることはなかった。犬王と友魚は共に「平家の無念」に人生を取り込まれ、それを語ることで切り開こうとするのだが、肝心のそこが完全にロックフェスとかパフォーマンスで、すごく良いけど言葉が完全に入ってこないのが難しい。そこは主眼じゃないのかもしれないが、物語をロックやポップで語りきるのって難しいものだなあと…。
アヴちゃんは圧倒的でした。森山未來もあんなに歌の表現力あったんだなあと思ってそこはすごく沁みた。
犬王は結局呪いを解放したら先がどうなるのかきっと分かっていただろう。そして友魚はそこで折れることはできなかっただろう。だから最後はああいう形になってよかったのか、どうなのか…。
個人的には犬王の父(津田健次郎さんだった)の執念通り越した怨念的な部分と、谷一さんが大変心動かされた。
全体にリズム含め「ボヘミアン・ラプソディ」っぽさを感じてしまった。あながち間違ってもいない気はしている。
ミュージカルというより、ライブアニメ
本作は実在した能楽師の小説が原作になっているらしいのですが
それを知らなくても楽しめました
能楽師の子どもとして生まれた異形の子、犬王と
神器により失明をし、琵琶法師に弟子入りした友魚が
タッグを組み、民衆を熱狂させる
この映画の中盤から
歌を歌うシーンが長いのでそれでダレてしまう部分があるが
それを除けば歌のシーンはよかった
もうミュージカルというよりライブに感じてしまう
歌のシーンでも主演の声優も
違和感なく歌っていたし
パフォーマンス演出もすごかった
あの時代に派手なパフォーマンスができたかと疑問を持ってしまう部分があるが
序盤の琵琶法師が切られる事件の話は
実は呪いの伏線になっていたことなど
なぜ犬王が異形の子として生まれたのか
というところまでも
ミュージカルシーンと共に語られる部分はよかった
犬王の父が爆散するシーンは
グロいシーンが苦手な人は少しだけ注意
この作品は原作と時代背景を詳しいと違う感想になるかもしれないが
特になにも知らなくても個人的には楽しめた
良いのだけれど…
人間の讃歌
初日に行きました。もう公開前からずっと楽しみにしていました。
映画というかミュージカルというかもうライブです。しかしこういう映画もありだなってなります。和楽器とエレキギターの音が劇場でギュインギュインって響いていました。めちゃくちゃかっこよかったです。これは劇場で見る価値が上がります。
勝手な想像ですが、もしかしたら絵柄に好き嫌いがあるかもしれませんね。デカい目、可愛い女の子、かっこいい男の子みたいなアニメ特有のキャラデザとは少し違います。日本画っぽくて、良い具合に人間って感じがするキャラクター造形です。鼻や口の粘ついたようなところもしっかり描くなどして人間のブスで醜い部分も出ています。でもそれが良いです。なんというか、スタイリッシュでかっこいいし、やはり人間味があるんですよね。(私はキャラデザをされた方のことをあまり知りません。不快に思われたらすみません。)
あとは演出です。友魚の視覚を表現したシーン、ラストの無音の中舞う犬王のシーンなど、アニメーション表現が凝られているなと思いました。将軍の前で踊るシーンもこの世のものとは思えないほど美しく、涙が滲みました。
キャストの演技は期待を超えました。森山未來さんが「本当に森山未來?」と思うほどお上手でしたし、歌唱シーンも素晴らしかったです。森山さんなんでも出来るなあ。あと松重さんが個人的にとても良かったです。全然違和感なかったし逆に、良い声しているなあと思ってしまいました。アヴちゃんは言うまでもありません。声優さんではない方を起用したアニメって当たり外れがありますが、これは大当たりですね。
日本文化が好きな人、そしてロックが好きな人におすすめです。楽しめます。
期待していただけにガッカリ
同じアニメ会社が作った平家物語の完成度が高かったこと、主役が女王蜂のヴォーカル、アヴちゃんと森山未來、脚本がmiu404 の野木さんということでかなり期待していたのですが、期待を悪い意味で裏切られました。
犬王と相方の琵琶法師との出会いまでの展開はとても良く、盲目の琵琶法師の視点のアニメーション表現などは凄く秀逸です。
しかし肝心の演奏(?)パートがイマイチ。
現代的な光の演出や凝った舞台装置が急に作られるけど、排斥されていた犬王やペーパーの琵琶法師がこれだけ金と技術のかかるステージを作る演出家と技術者をいきなり動かせたのかが疑問。
才能ある人たちを動かすまでの2人の魅力を伝えるエピソードがないまま大造りな舞台からスタートするので、イマイチ主役2人に感情移入できませんでした。
本当に2人だけの舞と演奏で観衆を沸かすエピソードがあったり、優秀な演出家や職人のキャラクターと出会うエピソードが描かれていたらもっと違ったと思う。
歌も単調で映像も綺麗だけどこれといって印象に残るほどの魅力を感じず、将軍の前で演奏できるほど上り詰めていくカルタシスを感じることができないまま、終盤に入り、物語が終わった感じです。
メインキャストが演技も容姿も優れた人たちばかりだったので、これなら実写映画や舞台で彼等が出演する作品を見ればよかったと思いました。
わざわざアニメーションでこの作品を表現する意味があったのか。
僕はこの映画の鑑賞をお薦めできません。
【”平家の呪いにより琵琶法師になりし男、異形の猿楽師と出会い、京の民を魅了する・・、が。”負の者同士が琵琶演奏を昇華させたロックンロール炸裂シーンと、ダイナミックな舞の映像にヤラレタ作品。】
■今作の魅力
1)大友良英氏が作曲した、琵琶法師・友魚達が奏でる楽曲の恰好良さ。
- 橋上で、京の民の前で、奏でる数々のロックンロール。及び演奏シーン。少し前に「ロスバンド」を観た際に、小さな女の子がチェロでロックを弾くシーンを観たが、アニメにすると、橋梁上での仰け反り、琵琶掻き鳴らしシーンは、格好良し!。
更に、あの観衆を巻き込むリズムはクイーンの”We will rock you"に酷似している。そりゃ、熱狂するよなあ、京の民。-
2)松本大洋のキャラ設定及び、それの様々な手法でのアニメーション化技法。
- 筆で書いた様な繊細な画から、異形の犬王の不思議な舞のシーンなどは、アニメならではであろう。特に、湖上の楼閣の廊下を龍が舐めるように通り過ぎるシーンや、湖上での舞のシーンは、市川猿之助のスーパー歌舞伎を彷彿とさせ、且つアイスダンスをも想起させる見事さである。-
3)三種の神器の一つである、安徳天皇と共に水底に沈んだ、草薙剣を壇之浦の海中から引き揚げようとして、平家の呪いにより、琵琶法師になった友魚と、その異形故に虐げられてきた犬王が出会った事で、”負と負が昇華し、止揚(アウフ・ヘーベン)していく様、”見事な音楽と舞を圧倒的なエネルギーとともに生み出すシーンには、カタルシスすら感じる。
4)犬王の身体の変化と、友魚との関係性
・異形の姿から、最期、凛々しき男の表情が露わになるシーン。
そして、時を越えての再会。
<今作を難解と思われる方もいるかもしれないが、全くそんなことはない。
平家物語を知らずとも、無心に観ていれば、今作は心に響くと思うし、独特なタッチのアニメーションもすんなりと楽しめる。(但し、ロックが苦手となると、どうかなあ・・。)
今作の、ダイナミズムな舞、演奏が炸裂するシーンには、唯一無二の世界観と共に魅入られたのである、私は。>
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