劇場公開日 2022年5月28日

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「メジャー日本映画はアニメのみ新しい」犬王 シューテツさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0メジャー日本映画はアニメのみ新しい

2022年6月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

私は今までよく日本映画のミュージカルや音楽映画に対する(ろくな作品がない、若しくは出来ない事に)批判(?)や疑問を口にしていたのですが、本作を観てしまうとその答えが簡単に見つかりました。
要するに、その類の才能は全てアニメ業界に集中していて、実写映画として製作しようとしてもその才能を集結させるだけの力が無いという事なのでしょうね。
アニメだと作ろうと思えばこうして傑作を生む事ができてしまうのだから、やはり日本のアニメ業界の力を見せつけられた気がしましたよ。

今世界で日本で誇れる(認識されているモノ)と言えばアニメしかないという現実をまざまざと見せつけられた気がしました。
本作なら当然世界に出しても通用するだろうし、逆に言えば世界が日本に求めている要素の詰まった高品質な作品だとも言えます。
更に言えば、本作ほど日本的要素を強く詰め込んで、その異国文化を海外の人にも理解しやすい工夫と内容でしかもハリウッド手法とは全く異なるテイストで面白く作られている作品であるということ。

ここからは、本作から脱線する話になりますが、結局2000年代以降の日本映画って、ハリウッド的な娯楽作品作りを日本の国内で試みても意味がなく、日本として勝負出来る強みのあるジャンルに特化して制作していく方向性にあり、ガラパゴス化であっても仕方ない国になってしまった事を認めなければならない時代であったということです。
今でも日本映画の代表を黒澤や小津の名前を出すトンチンカンな年寄りがいますが、世界の映画好きの若者は日本映画と言えばジブリを代表としたアニメしかないという事を、本作などは時代錯誤の年寄りに思い知らせる為の作品だった様な気がします。

てなことを、今の日本のリアルタイム映画ファン以外の年寄りに言っても、全く意味が分からないとは思いますが…、映画だけに留まらずそれが30年以上社会的停滞している今の日本という社会の現実であり、アニメは今の日本の象徴でもあり、その低迷した日本の中で世界に供給できる数少ない貴重なコンテンツであるということです。
しかし、普段から映画を観ない年寄りにこの作品を見せても全く分からないだろうなぁ~。
まずは、今の政治家達に見せてあげたいよ(苦笑)
まさに「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」だよな(爆)

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シューテツ