「どろろ+バケモノの子+平家物語+能楽」犬王 ぷにゃぷにゃさんの映画レビュー(感想・評価)
どろろ+バケモノの子+平家物語+能楽
伝統芸能を現代的にアレンジしたところは、いいと思う。発生当時は新しかったわけだし、庶民に人気があるものは、必ずしも後世まで残ると限らない。だから、大胆に脚色して構わないんじゃないか。照明とか、幕とか、舞台道具とかのアイデアもおもしろい。本物の舞台でも見たいくらい。
だけど、脚本が野木さんの割に、難しくないかな。もっと伏線回収のカタルシスが味わえると期待してたのに、あまりスッキリしない。友情の終わりも、なんか美しくない。犬王も、犬王の父も、友魚も、最終的に自分の欲望を通すだけというのが、なんかなー。犬王の父は、自分が望む舞をできるように、魔の面と取引したんだっけ? 結局、願いは叶わなかったの? 犬王の方が努力をしたから、父から奪っていったのか? 友魚は平家の語りを創造することに、こだわりを持っていたっけ? 目が見えないのに、ビジュアル面を演出するのは、誰のプランなの? ライブシーンが長すぎて、せりふでそのへん言ってたとしても、思い出せない。んー、原作を読んだ方がいいのかもしれない。
ダンスの表現はきれいだった。ストリート、バレエ、エアリアル、誰かの動きを写したのかもしれないが、躍動感がとても出ていた。犬王、これだけ多彩な身体表現ができるだけあって、筋肉モリモリのナイスボディ! ただ、顔はあまり好みではなかった。残念。義満に恫喝されたとはいえ、友魚の命乞いとか、こっそり会いに行くとか、そういうのはできないんかい! 冷たい奴!
湯浅監督の作品は、2つしか見てないんだけど、両方ともライブシーンがあった。この方は、音楽とダンスをアニメで表現することに、こだわりがあるのかな。それはいいけど、もう少し物語にも重点を置いて欲しい。登場人物の描写をしっかりすれば、観てる側が感情移入できる。それがあって、ライブシーンがより活きるのではと思う。
来場者プレゼントのポストカードもらった。