「人間の讃歌」犬王 有さんの映画レビュー(感想・評価)
人間の讃歌
初日に行きました。もう公開前からずっと楽しみにしていました。
映画というかミュージカルというかもうライブです。しかしこういう映画もありだなってなります。和楽器とエレキギターの音が劇場でギュインギュインって響いていました。めちゃくちゃかっこよかったです。これは劇場で見る価値が上がります。
勝手な想像ですが、もしかしたら絵柄に好き嫌いがあるかもしれませんね。デカい目、可愛い女の子、かっこいい男の子みたいなアニメ特有のキャラデザとは少し違います。日本画っぽくて、良い具合に人間って感じがするキャラクター造形です。鼻や口の粘ついたようなところもしっかり描くなどして人間のブスで醜い部分も出ています。でもそれが良いです。なんというか、スタイリッシュでかっこいいし、やはり人間味があるんですよね。(私はキャラデザをされた方のことをあまり知りません。不快に思われたらすみません。)
あとは演出です。友魚の視覚を表現したシーン、ラストの無音の中舞う犬王のシーンなど、アニメーション表現が凝られているなと思いました。将軍の前で踊るシーンもこの世のものとは思えないほど美しく、涙が滲みました。
キャストの演技は期待を超えました。森山未來さんが「本当に森山未來?」と思うほどお上手でしたし、歌唱シーンも素晴らしかったです。森山さんなんでも出来るなあ。あと松重さんが個人的にとても良かったです。全然違和感なかったし逆に、良い声しているなあと思ってしまいました。アヴちゃんは言うまでもありません。声優さんではない方を起用したアニメって当たり外れがありますが、これは大当たりですね。
日本文化が好きな人、そしてロックが好きな人におすすめです。楽しめます。