劇場公開日 2022年5月28日

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「【”平家の呪いにより琵琶法師になりし男、異形の猿楽師と出会い、京の民を魅了する・・、が。”負の者同士が琵琶演奏を昇華させたロックンロール炸裂シーンと、ダイナミックな舞の映像にヤラレタ作品。】」犬王 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”平家の呪いにより琵琶法師になりし男、異形の猿楽師と出会い、京の民を魅了する・・、が。”負の者同士が琵琶演奏を昇華させたロックンロール炸裂シーンと、ダイナミックな舞の映像にヤラレタ作品。】

2022年5月28日
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鑑賞方法:映画館

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■今作の魅力

1)大友良英氏が作曲した、琵琶法師・友魚達が奏でる楽曲の恰好良さ。
  - 橋上で、京の民の前で、奏でる数々のロックンロール。及び演奏シーン。少し前に「ロスバンド」を観た際に、小さな女の子がチェロでロックを弾くシーンを観たが、アニメにすると、橋梁上での仰け反り、琵琶掻き鳴らしシーンは、格好良し!。
    更に、あの観衆を巻き込むリズムはクイーンの”We will rock you"に酷似している。そりゃ、熱狂するよなあ、京の民。-

2)松本大洋のキャラ設定及び、それの様々な手法でのアニメーション化技法。
  - 筆で書いた様な繊細な画から、異形の犬王の不思議な舞のシーンなどは、アニメならではであろう。特に、湖上の楼閣の廊下を龍が舐めるように通り過ぎるシーンや、湖上での舞のシーンは、市川猿之助のスーパー歌舞伎を彷彿とさせ、且つアイスダンスをも想起させる見事さである。-

3)三種の神器の一つである、安徳天皇と共に水底に沈んだ、草薙剣を壇之浦の海中から引き揚げようとして、平家の呪いにより、琵琶法師になった友魚と、その異形故に虐げられてきた犬王が出会った事で、”負と負が昇華し、止揚(アウフ・ヘーベン)していく様、”見事な音楽と舞を圧倒的なエネルギーとともに生み出すシーンには、カタルシスすら感じる。

4)犬王の身体の変化と、友魚との関係性
   ・異形の姿から、最期、凛々しき男の表情が露わになるシーン。
   そして、時を越えての再会。

<今作を難解と思われる方もいるかもしれないが、全くそんなことはない。
 平家物語を知らずとも、無心に観ていれば、今作は心に響くと思うし、独特なタッチのアニメーションもすんなりと楽しめる。(但し、ロックが苦手となると、どうかなあ・・。)
 今作の、ダイナミズムな舞、演奏が炸裂するシーンには、唯一無二の世界観と共に魅入られたのである、私は。>

NOBU
CBさんのコメント
2022年9月30日

> 湖上の楼閣の廊下を龍が舐めるように通り過ぎるシーン
同感です!

CB
momokichiさんのコメント
2022年6月16日

唯一無二
同感です。

momokichi
満塁本塁打さんのコメント
2022年5月29日

返信ありがとうございます😊😭勉強になります。

満塁本塁打
満塁本塁打さんのコメント
2022年5月28日

こんばんは。違った意味でヤられました。ド共感です。😊

満塁本塁打