「久しぶりに、心が洗われました」糸 masaさんの映画レビュー(感想・評価)
久しぶりに、心が洗われました
久しぶりに、心が洗われました。
本当に、久しぶりに物語に没入することができた作品です。
正直、突っ込むところは多々ありますが、純粋に主人公とその二人を取り巻く人たちの暖かさ、純粋さがひしひしと伝わってきました。
何よりも、葵ちゃんの生き方に心を惹かれるものがあります。幼少の頃に辛い体験をしたにも関わらず、必至に一人で生きていこうとするその生き様。「大丈夫」と自分自身を励ますシーンは私とかぶるものがありました。
物語の中で、二人の出会いは全て偶然。しかし、ラストシーンでは必然を求めてお互いを探し続けています。
どこで逢うのか分からない、どこに行くの分からない。人生は偶然の積み重ね。しかし、その中でも、必然を求めてそれを手に入れることもできるのが人生。
最後のシーン。葵ちゃんはフェリーで行ってしまった、もう逢うことはできない。そのようなラストになってしまうのか。
ハッピーエンドが好きな私にとって、最高のラストシーンとなりました。
さらに、エンドロールの映像も心に残る素晴らしい内容でした。
なぜ、4.5にしたのか?本当に久しぶりに泣くことのできた映画でしたが、少し詰めすぎかな、と思いました。それだけですね。
映画は、原作で表現したものを限られた時間の枠内で創らなければならないため、原作全てを表現することは難しいと思います。しかし、全て表現していなくても、人には創造する力があります。それぞれの登場人物のバックグランドを創造しながら観る楽しみもあるはずです。
私は、映画を観てから、原作を読んでいます。映画の抜けている部分がそれで補われるから楽しみが倍増しますね。その逆だと突っ込みまくると思います。
最近、映画を観ていて思うことは、俳優って本当にすごいなあと感じることです。その世界に私たちを引きずり込んでくれるのですから。
この映画は、「買うリスト」に入る作品です。
良い映画をありがとうございました。