「確かに良い作品だと思うのですが、、、ネタバレ」糸 おから先生さんの映画レビュー(感想・評価)
確かに良い作品だと思うのですが、、、ネタバレ
感情が失禁して何度も泣きました😭
ただ確かに良い映画だと思うのですが、批判覚悟で、今回は少々辛口な感想になりそうです😱
ご覧になられた皆さんの感想はいかがでしたか❓
<まず素晴らしいと思った点です>
①“榮倉奈々“さんの存在感が凄かった。TVドラマ「テセウスの船」での演技で始めて認識したのですが、本作でも他の女優さんと一線を画す存在感でした。もちろん役柄もあると思うのですが、プライベートでの結婚、出産を経て人生の厚みが出てきつつあるような気がして「妻役」「お母さん役」では日本でNO1かも!大好きな女優さんになりました。
②歌姫“中島みゆき“さんの歌声。
歌詞、曲はもちろんなのですが、あの「声質」。独特な周波数なのか、微妙なビブラートのせいか、揺らぎ感が本当に心に響きます。若い頃は、あまり好きではなかったのですが、今はたまにじっくりと聴きたくなります。彼女が歌うと、言葉の粒が際立って、なぜか歌詞の意味以上の感動があります。
<そして残念だなと思った点です>
①チラシデザイン
このキービジュアルは映画の内容を象徴してますか?菅田さん、小松さんファン狙いなのかな?顔がアップで目線は上なのが何か違和感です。そして「糸」のフォントもイマイチ。繊細で脆さがあるようなデザインの方が良いと思いました。ラベンダーの写真が背景にあるけど、広大な自然「北海道」の中に繊細な要素を欲しかった。
②冒頭の中学生時代の演技演出
映画の滑り出しでこのシーンでしたが、最後まで観れるか正直不安しかなかった。演技は上手なのですが「許された子どもたち」を観た後なので、かなり物足りなかった。「葵ちゃんが好きだー!」って遠くに叫ぶ?
③「ファイト」は、中島みゆきの歌声で聴きたかった。榮倉奈々と成田凌が二回に分けてカラオケで歌うのだけど、せめて途中から中島みゆきの原曲をオーバーラップさせて欲しかった。雑な歌い方なので全く響かなかったよ。この曲の凄みと、歌詞の内容は、中学生からの“葵“ちゃんの人生と、馬場ふみか演じる弓さんの震災での出来事の一部を示唆した内容だと思うから。中島みゆきの歌で聴きたかった。
④エンディング曲の「糸」は中島みゆきが良いです。男性によるカバーはどんなに上手い歌手でもイマイチ。中島みゆきだったら、歌詞以上の感情が表現できるのに。男性によるカバー曲は、とにかく頑張って歌いました!一番高いキーのところで、思いっきり張り上げて「ちゃんと高音出てかっこええやろ?」みたいな感じで本当に鼻につく。
⑤そして僕が一番言いたいのはエンディングです。なんなのあれ❓❓❓
平成元年生まれの2人のすれ違い物語が、平成→令和への改元日に転機を迎えるのはいい設定なんだけど、なんで葵ちゃんはフェリーを降りて漣君を探しに行ったの?声聞こえる?急にお互いを探しあって、その時間が無駄に長いからどうせ出会うんだろうな?と想像していたらその通りになってしまった。歌詞の通りもちろんハッピーエンドで良いんだけど、作中の演出が割とあっさりとして好感が持てていたので、最後の無駄に長いシーンと能天気なハッピーエンドに急に興醒めしてしまいました。
本編では出会えたかどうか分からないまま切ないエンディングを迎え、エンドロールの最後で出会えたことを示唆するような終わり方だったら、語り継がれる作品になったと思いました。
それでも、鑑賞中に何度も泣いて😭しまったので、基本的にはとても良い作品です。好きな作品だからこそ、少々苦言みたいになってしまいました。この作品が好きな皆さま、お許しください🙇