「お涙頂戴シーンがぶつ切り」糸 トコトコとことさんの映画レビュー(感想・評価)
お涙頂戴シーンがぶつ切り
菅田将暉さんが好きで楽しみにしていました。
彼の演技は、成長やその時時の心情を表現していて良かったと思います。小松菜奈さんも、いろんなライフスタイルごとに華やかさに強弱があって、以前見た他の映画よりうまくなったと思いました。
俳優さんたちの演技は皆さん良かったです。榮倉奈々さんも、成田凌さんも、二階堂ふみさんも。
ただ、脚本なのか編集なのか、見ていて感情移入しきれないところが多かったです。
・中学生時代、札幌に引っ越したとき。漣と駆け落ちする日の服装が普通に小ぎれい。虐待とか、実母の愛情もないのなら、服は汚いかもしれないし、タイツとスカートなんてお金のかかる組み合わせじゃなくて暖かそうなズボン一択なんじゃないのでしょうか。
・CMにも使われた、漣が家族と抱き合ってなくシーン。
シーンが変わって買い物の場面になり、あっという間に急に泣き出す。えーーーーーー!!!泣く理由はわかるけど、いきなり「ハイ!お涙頂戴シーンですよ!泣いてくださいね!」って崖から突き落とされた気分でした。いきなり漣たちが泣きすぎたから、もうちょっと泣くまでのフリが欲しかった。
・どんぐりを人に向かって投げるの
普通に人としてだめでしょ。まー、いいことしかしないってのもあれなんで、ありなんでしょうね。でも見ててなんか、イヤだった。
なんというか、
うまくいえないんですが、シーンごとに話がブツブツ切れてる感じで、なめらかさがなくて、そのブツブツに引っかかるので感情移入がいまいちでした。
映画上映前のテレビの番宣では、菅田将暉さんのほうがたくさんテレビに出ていたから、菅田さんのほうが比重が大きいのかと思いきや、ダブル主演というより小松菜奈さん主演映画、って感じでした。
子ども食堂での出来事も、なんか、わざとらしくて…
総合的にあんまり面白いと思えませんでした。
(話はいいと思うので、脚本や編集との相性が合わなかったんだと思います)