猿楽町で会いましょうのレビュー・感想・評価
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仕事とプライベート
真っ当に生きてる人は誰だってプライベートに多かれ少なかれモヤモヤを抱えている。
ただ、それを出さずに仕事をする。
それが社会人。
そんな日常生活で当たり前になっていることは、
実はすごいことかこかもしれない。
そんなことをふと感じた作品でした。
現実だってみんなあんなもんだよなあ。
イニシエーションラブ?
何かが違うんだけど、ユカと『イニシエーションラブ』の繭子のスペックが同じような気がしました。『イニシエーションラブ』と同じく時間軸を戻したり進めたりの構成(但し謎解きではない)のせいかもしれませんが。
ユカも繭子もどっちも許せないけど、やんごとなき青年たちはその我儘を受け容れてしまう。敢えて言うなら可愛らしさの中に潜んでいるのが、繭子は80年代的なしたたかさ、ユカは平成的な刹那主義、の違い?
静岡県と新潟県の違いに過ぎない気もします。
R-15のシーンもなかなか下手なAVよりよくできてましたが、見てはいけないと思わせるほど瑞々しい石川瑠華さんの体が印象的でした。
「私は まんざら でもない」と勘違いしている痛い女子いますね
ヒロインには親とか先輩とか、同性の友達とかいないのか?
自分の立ち位置すら理解できない位に自分勝手な"孤高もどき"な子だから、家出でもしてきたのか? 彼女の人生はこれからも落ち続けていくだろう。
どんどん落ちていく彼女の続編映画を観てみたい。
最初はこんなインディーズぽいレベルの子がヒロインでよいのか? と疑問を持ったが
映画が進行していくにしたがって、ヒロインの性格を全身で表現できている彼女の本採用の理由が理解できた。
この映画は彼女でなくてはいけない。
主人公は冒頭から後半にかけてのキャラクターの成長も垣間見れ、予告編よりも良い人材に変更し、演出もできていたようだ。
同時に脇役に至るまで、被ることがないすべてのキャスティングは完璧であった。
撮影は凄くハイレベルな完成度
高価なカメラをきちんと使いこなし、露出は完璧で、カット割りも、カメラの位置や写し方等 まるで教科書のようなレベル。
最近、撮影が悪い映画が続いただけに、この映画の撮影完成度には驚いた。
制作者の次回作はもっと 本格的な商業映画を観たい。
撮影や構成もシナリオも良かったので、1部と2部の食い違いや意外性がない
ただの”答え合わせ”だけならば、かえって3部構成ではなく
回想シーン的なものが入っても良いので、通常の時間軸で構成された1つの映画として鑑賞したい。
ただ、なぜ、猿楽町であるかは解らない。
北九州のシーンは展開が無く、無駄な風呂敷だった。
後半のブス・ガールズバーのシーンが入ったので、ここでヒロインとの違いや
好きになった理由や彼女との現状そして、これからの不安等の主人公の葛藤が大いに入る冪 肝なシーンなのだが
それがなく、ただの無駄なシーンになったのが残念
主人公・製作者の意見がここで聞ければ、エンディングが明快に花が咲いた筈だ。
この映画を鑑賞後に、短編「未完成映画予告編大賞」を観ましたが、大賞作よりも本編の完成度が高く
脚本・撮影もよく練り直しているのが判った。 本編と大賞を取った短編と見比べると面白い。
そもそも私に色なんてあるのかなあ?
たまらなく切なくて仕方なかった。若い役者のみずみずしさ。見事な心理描写。かずかずの刹那的な言動は、けっこうクズの部類かもしれないけど、それは上昇志向の若者の欲望のよじれ。
小山田の、はち切れんばかりの下心の純真さ。そのやましさを自覚しているからこその自制心が、ある瞬間に外れ暴走しだす。その怒りをコントロールしようとする理性の痛々しさ。金子大地、見事だった。
ユカは、人を傷つけることの罪深さに鈍感でありながら、自分が傷つくことを極端に嫌う身勝手さ。可愛くはない。たまに、あれ可愛いかも?と思う。ちょうどよくいる地下アイドルレベル。そこが妙にリアル。そして時おり見せる様々な感情が、同じ人間か、と思わせるくらいに違う顔をしている。石川瑠華、見事だった。
そしてみんな、当たり前のことながら、相手に対する愛情や依存度によって違う、人間関係の濃さ。それが匂わんばかりの体臭を感じるのだ。じっとりする湿気を感じるのだ。ダレることなく描いた監督も、見事だった。
書きたいことあってもネタバレになるので伏せておく。おそらく、嫌な奴だと思いながら、それを自分がしたことはないか?と問われれば、そこまでクズではないと言い返す。だけど、一つくらいは心当たりがないこともないかな。いや、どうだろう。ないよ、たぶん。あれ?自分が過去に恋愛で傷ついたと思っていたのは、むしろ傷つけていたのか?と過去を振り返ってしまう。そんな気分。
小山田の目は何を“写す”?
この映画を作ることで、何かが変わることはないだろう。何の価値観をも揺さぶることはないだろう。
この映画は何を描くのか?この映画は、渋谷という世界に浮遊する定点のない人間の姿を、ただひとりの無垢な人間、小山田の目線で描き出す。
小山田だけが知らない。まわりの人間は、自分の心地よさを求め、自分の脳を快楽で満たすためだけに行動する。
小山田は気付き始める。まわりの人間は、自分の知らない間に、自分の知らないところでつながり合い、自分だけが、何も知らず、取り残されているのではないか?
まわりの人間は、ただ単に、自分を利用しているだけなのではないか?
この映画で、何かが変わることはない。小山田という、何も世間を知らない人間の、定まらない目線が“写した”渋谷の風景が存在するのみである。
小山田は引っ越した。
猿楽町で会いましょう。小山田は、“いつか”という言葉を、部屋に置いて、出てきたのかもしれない…。
今まで生きてきた中で出会ったことのない人たち
登場人物に感情移入できる時は作品に愛着がわくらしいが今作は難しい。同性である男達はみんな無理。
女性陣も石川瑠華さんと小西桜子さん演じる2人も完全には信用できない。りかちゃんがほっとけない(ラストに至るまで彼女が自殺を図るストーリーかと)分
庇護欲が掻き立てれるかな。
ドロ臭い人間ドラマ‼️
先ず、凄い良い映画だった。意表つかれた。
人の色んな部分がストレートに出てる。
本能、欲望、願望、嫉妬、妬み。
若い甘い恋愛ドラマと思っていたら全く違った。
ヒヤッとするスリル場面があったり。
凄く良いミニシアター系だった。
渋谷PARCOで観て余計良かった。
街と映画がマッチ。
金子さん純粋に格好良かった。
石川さんは可愛く見えたり、ブスに見えたり、色んな顔を見せた。
将来が楽しみな2人だ。
切ないけど前向きなんだと思いたい…
考えさせられた。
登場人物は誰も身近にいそうな感じ。
東京に勤務していた時に中目黒に住んでいた。猿楽町も時々歩いていた。ものすごい大きな高級マンションのすぐそばに、まるでこの物語の主人公が住んでいそうな昭和から何もかわっていないようなアパートが建っていた。
代官山から少し入ったところには、またまた凄い住宅地の南平台があった。でも道を挟んだ向こうには、道玄坂の猥雑なラブホテル街や呑み屋街が広がっている。
都会は色々な人たちの色々な想いを呑み込んでいる。
中目黒の飲食店には、夢を実現しようと働く芸人さんや、役者さんが頑張っていたな。
この作品は表現がリアルなので、いろいろなことが思いおこされた。自分の若い頃、何も考えず、でもなんかわからない根拠のない自信があって、馬鹿なことを言ったりやったりしてたことも思い出してしまった^^;
とても良い作品だとおもいました。
若い時代の将来への希望や不安は、多分前へ進んでいくための原動力でもある。その力が強ければ強い程、空回りしたり思わぬ方向へ行っちゃったりもするだろうけど、前向きに頑張ってほしいなぁ。と、若い登場人物たちには言ってあげたい。
チャレンジ特待生
二十代の殆ど、猿楽町で働いていたので懐かしく軽い気持ちで鑑賞
猿楽町を舞台にした青春ドラマみたいな映画かと思ってたら、「恋の渦」みたいなドロドロ劇だった
主演の女のコが男にとって丁度いい感じでリアリティがあり妙にエロくてよかった
演技学校の授業風景を見て、こんな学校は嫌だと思った
小説作品っぽい構成
中期→前期→後期という流れで小説物でよく見る時間軸構成。ただ、小説→映画の作品は上映尺の都合で何処かで無理が出やすく、置いてかれることもしばしばだが、本作品は綺麗にすべてをつなげたな、と。ワクワクしなければ幸せにもなれないので、見る人は選びますが、個人的には面白い作品でした。
現代の若者を描いてるが、何処か懐かしい
評判良いのが判った。確かに魅入るし面白い。俗に言う業界をベースとした恋愛悲哀話であり、『イニシエーションラブ』や『テネット』『アナ』等の時代構成を戻したり進めたりしての補完型謎解き作品だった。だからといって、ビックリするようなドンデンや騙され感は無く、サラッとのふふ〜んて感じ(何ソレw)の補完。何か起こりそうで起こらず、ただソッチか〜の展開や、いきなりそう来たみたいなのは充分有り、そこがなかなか楽しめた。R-15はエロのみで、グロや怖さ表現は皆無。
間違い無く現代の設定(喫煙場所の甘さは一昔前)だが、何処かでこの類を観たような懐かしい作品の感じがした。そういう意味で斬新さや工夫が無いように感じるが、細かい所まで丁寧に歌い上げるように作られており、ラストに向けて『仕方ないじゃん、でも爽やかでしょ』な男女の展開が何処か心地良く感じる。主演男女の演技力はなかなかだし、際物キャラ達との絡みも楽しい。
ま、カップルで観るのは避けた方が良いかと。エロシーンはそれほどでも気にしなくて無いが、関係に色んな影響をもたらすかとw
恋模様と悪しき世界の縮図、内在化された社会の怖さを突く傑作
強い衝動に襲われ、言葉を失っている。夢のための生産と消費、節々に輝く光と黒くかかる影。若者の無垢と汚れが付いていく過程の拭えない痛みが心を抉る。
猿楽町は、渋谷の都会らしさと住みづらくも敷居がそう高くないような住居が詰まった絶妙な空間。そこに暮らすフォトグラファー小山田が出会ったのは、無垢で眩しくも粗さの残るユカだった。体は許すことのないユカとの不思議なボーイミーツガールが、次第に暗い影を落とし始め…。彼女に嘘が見え隠れし始める。
この作品の恐ろしいところは、決して取り繕った嘘ではないことである。章立てされた3つのチャプターに、それぞれが知らない事実が浮かび上がる。時に荒々しく、時に静かに、二人の日々に不穏な空気がはびこる。そこには、内在化された男女格差とジェンダーバイアスの元で構築される搾取の関係が映る。それぞれが意図して、あるいは偶然を装って…。ユカの夢に対して消費される心。幾ばくもなく消費されていく。ユキが繕って頑張って振り向いてほしく振り向いてほしくて…ここまで苦しい濡れ場を観たのは初めてかもしれない。
そんなユキを演じるのは石川瑠華。桜井日奈子に何処となく似た彼女だが、次第にそのポテンシャルに飲まれてしまった。どれだけ箔に傷が付けばいいのだろう…と目を覆うように涙が溢れた。嘘のために重ねた体は、小さくて脆くて痛かった。そして、その傷は自身でも分かっているほど見るに耐えない。インタビューが暗に写すから、一層言葉を失った。そんなユキとボーイミーツガールをするのは、金子大地。個人的には大ブレイクの若手俳優。ファインダー越しに映る彼女に、どんな表情を浮かべていたのか、それを気づけたのだろうか。他にも、ヒールが似合う前野健太に、現実でもブレイク女優の小西桜子など…豪華な役者で無情な世界を作っている。それが何とも怖くて、逃げ場がない。
そんな世界を作った児山隆は、CMなども手掛ける実力派。小さな世界の痛みを巧みな演出で引き立てている。ブレたカメラワークやぶつかり合うふたりの間に迫る描写など、その時々の空気を壊さずに引き出す絶妙さが光る。これはもう一度観なくては。
現実の街で揺れる想いと痛み。最後の主題歌、春ねむり「セブンス・ヘブン」が作品のしわを整えて締める。これは凄いものを観たと感服。そして、その痛みに社会全体が気づかなくてはならないと思った。
可愛いけど弱くて嫌な女だけど、、好きになるんだろうね
単館上映の、とても映画っぽい映画でよいかと。
予告もみずに、タイトルとポスターだけみて評判が良いので鑑賞です。
近くの映画館では1週のみの公開でした。慌てて木曜に鑑賞です。
主人公はとても可愛らしいけど、やってることはかなりエグい。
また、それに群がってくる下心丸出しの男たちも気持ちが悪い。
胸糞悪くなる、くらいリアルなのかも。
まさに、リアルホラー。
ただ、よくある話とは言わないけど、とても現実的で理解出来るところもあり、とても切ない。
また、1部=男子目線、2部=女子目線、3部=2人の話と、分かりやすくなっていたり、なるほど、そういう事か、と思わせるところも良かった。
登場人物は嫌いだけれど、作品は好き!!
主役2人がすごいという感想に尽きる。
金子大地くんは台詞をボソッと吐き出す(呟くではない)のが上手く、雰囲気がある俳優さんだなと思った。
名前を出していいか迷うが、三浦春馬くんを彷彿させる。
石川瑠華さんは文字通り体を張った演技で、完全に"田中ユカ“だった。
そう、何と言っても田中ユカの印象が強い作品。
おそらく観客全員が終始胸クソ悪かったのではないだろうか。
演技レッスンの料金で搾取される甘さ(現在放送されている「ドラゴン桜」で桜木弁護士がバカと指摘するのがまさにこれ)、
スクールで一緒にレッスンを受けていた子が売れたことで、努力よりも妬み憂い行為に走る弱さ、
結局自分のことが1番大切で、自分を守るためなら堂々と嘘を貫き通そうとする愚かさ。
こんな奴が何者かになれる訳がない。
ユカ自身、オーディションのインタビューで「(自分がどんな人か)考えたくもない」と言っていた。
…ああ、自覚あったんだ。なんて残念な人なんだ。
ユカみたいに側に誰かいないとダメなのに、周りがどんどん離れていってしまう人っているんだよね…
そんな人に対してみんなが思うのは、可哀想ではなく"イタイ“。
それにしても去年あたりから邦画の良作が多いと感じるな。
基本的に制作陣は若手。
写真ではないけれど小山田みたいに刹那を描く作品に今後も巡り会えることが楽しみだな。
ふたりの今後をそっと追いかけたい。
ラストシーン。私はめっちゃ良かった。もうおそらく交わることのないふたりのこれからを想ってまだ余韻に浸っている。
似合わない金髪で精一杯自己主張する修司。何が撮りたいのか伝わってこないと言われつつもフリーカメラマンとしてなんとか仕事を得てここ猿楽町で生きている。
田舎から上京し読者モデルをしながら役者を目指すユカ。上っ面な世界に片足をつっこんでなすがままに搾取される。いろんなものを。心を許せる相手なんてきっといない。この街には。
中途半端な修司と嘘つきなユカが出会う。
「あんな子はこの業界にはたくさんいる」と揶揄されるユカ。まさにそう。よっぽどでない限りどの世界にも誰かの代わりがいて、代わりの代わりだっている。だからよっぽどになる為にもがく。傷付け合いながら。
はじめからずっと嘘つきなユカとその嘘を暴くために嘘をつく修司。なんて醜悪でやるせないのか。でもふたりの結末に他の選択肢はなかっただろうな。
「あなたはどんな人ですか」こんな問いかけにきっぱり答えられる人がいるならやっぱりその人も嘘つきなのかもしれない。人って結局いろんな嘘をつきながらうまくその場をしのいだりして生きているような気がする。
監督はこれが長編デビューですか。次も楽しみですね。そして体当たりで挑んだ主演のふたりが本当に素晴らしかった!とくに金子大地が良かったな。横顔が印象的でした。今後も大注目。
こういう人いるわ~という意味で共感
最近の恋愛映画といえば今泉力哉監督が心が痛いけど共感できるという絶妙な匙加減で撮られている印象がありますが、この映画も「こういう自分中心の子いるよね」という点で大変共感できました。ただ、比較になって申し訳ないのですが、今泉作品ならどうしようもない中でも何か希望が見えて終わるのですが、この作品はそういうのがなかった(ネタバレ回避でフワッとしてますが)ので観終わった後心に残るという感じではありませんでした。そこで☆一つ減らした感じです。
どちらかというと未完成映画予告大賞という賞ってなんだ、という方が印象的でした。
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