「う~ん、なんか違う意味で“ざわっ”とするんですよね~w」カイジ ファイナルゲーム マツマルさんの映画レビュー(感想・評価)
う~ん、なんか違う意味で“ざわっ”とするんですよね~w
藤原竜也さんの当たり役「カイジ」の劇場版最終作で原作もアニメも劇場版もスピンオフも見ている者には使命の様な気持ちとw、あの藤原節のカイジを味わいたくて鑑賞しましたw
で、感想はと言うと…う~ん…
まあまあと言えばまあまあで、面白い事は面白いけど、1作目の面白さは越えられず。
それなりに楽しめたけど、不満もツッコミ所も正直大有りですw
はっきり言うとギャンブルも設定状況もクドい。
端的に言うと、“ざわっ”としてない。
いや、違う意味でざわっとしましたw
オリンピック後の日本の財政が破綻してと言う近未来のお話で設定は些かSF。
オリジナルの設定が駄目ではないけど、どうもカイジの設定とはあんまり合わない。
カイジは正義の味方ではないし、どちらかと言えば小市民。
底辺にいる人が多数だとカイジのクズさが際立たないしw、カイジの真骨頂も発揮出来ない。
でも追い詰められた人間の大半が失ってしまう人としての道理や筋、義理を残しているからこそ、それらを失った大半の人からすれば考えられない秘策を打って逆転劇をするが、ギャンブルでしか生きられないギャンブルジャンキー。
そのカイジが帝愛憎しとは言えど、日本を救う為に立ち上がると言うのは些か話を過大にし過ぎ。
その一番がカイジが伊武雅刀さん演じる依頼主の東郷の報償金の金額を事前に確認してない事。
もうこの時点で“カイジを正義の味方に仕立て上げ様としてるのか?”と思ってしまう。
かと言って帝愛の存在がそんなに目立って悪い感じがしてない様に感じるからなんか帝愛の悪の帝国感がボヤけてる。
劇中のギャンブルも凝り過ぎ。
原作者の福本先生が考案した4つのオリジナルギャンブルも凝ってる様で凝ってなくて、凝っていない様で変になんかクドい。
「ドリームジャンプ」は自殺方法の1つではあるけど、これはギャンブルではないですw
特にメインとなる「最後の審判」が長い!
ここに心理戦が入る隙間が殆ど無いし、このギャンブルで何故カイジに依頼したのかが理解し難い。
また、様々な八百長や仕込みをするであろう帝愛ギャンブルで最後の審判の量りが何故黒崎側に有利に仕込んでいると思わない考えない?
それもアナログの量りなのにw
クライマックスで欠けたコイン1枚の重さで勝敗が有するなら、デジタルで重さを表すだろうし、そもそもあの量りは何グラム単位で計ってたの?
主役の藤原竜也さんと黒崎役の吉田鋼太郎さんは流石の一言。
特に吉田鋼太郎さんは第1作で香川照之さん演じる利根川に匹敵するぐらいの憎らしさとクドさw
藤原竜也さんは流石ですが、命を賭けたギリギリの土壇場の心理戦の妙が殆どないだけに勿体ない。
ギャンブルでの心理戦での対戦相手にしてやったりの見栄切りなんかは圧倒的なカイジ節で楽しめるんですが、カイジでの様々な名言「キンキンに冷えてやがるぅ~!」「悪魔的だぁ~!」と言った台詞を言わしたいだけなのか?と勘繰ってしまいますw
また他の登場人物がなんか多いし、要らない方が多数w
班長役の松尾スズキさんも最初に出ただけであんまり意味が無いし、出すなら最後でも裏切りの人物として出さないと意味が薄い。
ラストで出てきた坂崎役の生瀬勝久さんも無駄に豪華で割りと無駄な使い方。いつの間にFANとして投げ入れるコインに変えてたの?
イケメン所の福士蒼汰さん演じる高倉も新田真剣佑さん演じる廣瀬もなんかキャラが被ってる感じ。
特に廣瀬は必要だったのか?と思えるくらいに中盤の種明かし以降は出番少な目で薄い。
ラストで新日本プロレスの後藤洋央紀さんが店員役で出演されてましたが、プロレスファンはニヤッとしますが贅沢だなぁw
遠藤役の天海祐希さんの再登場は嬉しいけど、ちょっと勿体ない使い方。
1作目で原作では男の遠藤を女性に替えて、天海さんが担当されたけど、凄く上手く面白いオリジナルの良さが際立った起用だったのに、今作ではなんか勿体ないんですよね。
一番の?は関水渚さん演じる「ラッキーガール」の桐野。正直全然活躍してないし、殆どストーリーにも絡んでない。
カイジの世界は“ド硬派か?”と思う程の男の世界。居ても許されるのは美心だけw
殆ど活躍していないお騒がせキャラになってるのに、何故桐野と言うキャラが必要なのかが正直謎です。無駄に出してだけにカイジの世界がなんか濁った感じで、前作の「人生奪回ゲーム」の教訓が生かされてない。
監督の佐藤東弥さんは劇場版のカイジを全て監督として担当されてるし、1作目の「カイジ 人生逆転ゲーム」が神憑った面白さの作品だっただけに“何故? そうなる?”と思いたくなります。
カイジの世界は原作では面白いギャンブルでも映画でその面白さが活かせないギャンブルもあったり、下手に凝ったややこしいギャンブルは映画では似合わないと思うのですが、かと言ってラストの「ゴールドジャンケン」はどうなんでしょうか?
これがラストを飾る相応しいギャンブルとは思えないんですよね。
原作のギャンブルでは人間競馬とEカード。地下チンチロリンと沼パチンコが圧倒的に面白いんですが、既に使用されている。
でも他にも上手く組み合わせてみたら面白いのでは?と思うのも残ってるので、例えば「ワン・ポーカー」なんかはラストを飾るのに相応しいギャンブルになるかと思うし、帝愛会長の息子の和也や裏カジノの社長の村岡なんかもかなり面白いキャラになると思うんですが、どうもオリジナルに固執してる様に感じます。
正直、これで終わって良いのか?と思えるぐらいの出来に感じます。
ハリウッドの様に“前の作品は無かったことに♪”として、仕切り直しで新たに作った方が良いのではないかとw
原作のカイジも終わりが見えなく、現在もスピンオフの様に脱線して、迷走中な感じですがw、今作は1作目の痛快さを期待する者とすれば消化不良な感じ。
物凄くいろんな事を好き勝手に書きましたが、それだけこの「カイジ ファイナルゲーム」に期待していたんですよね。
出来れば映画鑑賞後に生ビールをグビッと飲みながら“キンキンに冷えてやがるぅ~! 悪魔的だぁ~!!”と言いたかったのですが、これでは気持ちがキンキンに冷えて、ビールが悪魔的に美味く感じないw
藤原竜也さんのカイジを底辺のクズらしく、完全燃焼させて頂きたかったなぁ…と思う今日この頃ですw
※追記
先日、この作品の舞台挨拶で藤原竜也さんが“皆さんの応援で次があるかも”とコメントされてましたが、是非応援するので次をやって頂きたい!w
応援と言うより、カイジ劇場版の真の完結編を観たい!と言う気持ちです。
佐藤東弥監督と製作陣の皆様には是非、このもやっとした…いや、ざわっとした気持ちの落とし前をつけて頂きたい!w
どうぞ、よろしくお願い致しますw
つかれたじゅんいちさん
コメントありがとうございます♪
このカイジ最終作は結構期待してたので、個人的には肩透かしされた感じでもっとざわっとしたかったw
あのカイジの土壇場で追い詰められた時の身体を切り刻む様な奇策と心理戦が醍醐味なので、やっぱり残念感はありますね。
ファイナルと銘打ってますが、真のファイナルを期待しますw
また、お暇がありましたら、覗きに来て下さいね♪