「求めていたカイジではなかった」カイジ ファイナルゲーム レオンさんの映画レビュー(感想・評価)
求めていたカイジではなかった
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"底辺"を蔑み、奴隷化し、搾取する狡猾な人間に対し、"底辺"が「命を賭けて」下剋上を起こす。カイジには少なくともこのような人生逆転劇が本筋であるべきだと思う。
底辺の生活から抜け出すため、半強制的に追いつめられたカイジが核心をつく戦略により見事に猫を噛む、そのような展開を期待していた。
しかし、今作はカイジが勝負をする理由が経済失速した日本のためとかいうスケールの大きすぎる話で、命を賭けているという実感が弱かった。
相方?の女優の演技も少しクサく、時おり興ざめしてしまった。
ギャンブルも、展開が分かってしまうか都合よく理由の後付けをしていることがほとんどで、なにより作品を通してカイジを賢くしすぎている。窮地に立たされた最後の最後に見事な逆転劇を起こすという感は弱く、カイジが終始落ち着き過ぎていたし戦略が完璧すぎた。カイジにあそこまで先を見通す力はなくてよい。無いからこそ、カイジの心に入り込めるのだから。
ただ、ゴールドジャンケン(?)は論理思考的に興味深く、このゲームのみ少し考えることができるため星は2つにしておく。
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