「最後の最後で涙腺決壊」朝が来る mintelさんの映画レビュー(感想・評価)
最後の最後で涙腺決壊
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逆光がよく使われていて、画面のコントロール難しいのをよくやってると思ったし、演技がナチュラルで、撮り方も含めてドキュメンタリーぽい。
幼くして子供を産み、里子に出した少女も、その子を特別養子縁組で迎えた女性も、女だというだけで割を食ってる。
孕ませた少年は何の責任もとらず、全てを忘れて高校に進学し生活を楽しんでいるのに、進学校に進む予定だった少女はスーパーでキュウリを詰め、家での居場所も失くす、この不公平感。
優良企業に勤める同僚同士の夫婦、子供が出来ずに望んだ特別養子縁組の条件は、夫婦のどちらかが育児に専念すること。妻は仕事を辞める。どちらかがと言われて、恐らく収入の多いであろう夫が仕事を続けるのは合理的判断ではあるが、なぜ夫の、男性の収入が多い設定に社会そのものがなっているのか。
なぜ、夫は子供も仕事も両方手にして、妻は仕事を手放さなければならなかったのか。
どうしても引っ掛かる。
そしてたぶんこの映画のテーマのひとつは「女って、女ってだけで割を食ってるんだよなあ」なんだと思う。
自分の居場所を失くした少女がなぜあんなことをしたのかわかる気がする。
居場所を失った少女が、最後に拠り所にしたのは子供だった。
そして、それを子供の養母が理解できたのも、ある意味必然だったのだろう。
エンドロールの歌で、「これここに持ってきやがって鬼か(誉め言葉)」とうるうるしていたが、エンドロールの最後の最後で涙腺決壊。
彼女の居場所が、ちゃんと彼の中にあって良かった。
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