「朝斗の眼差しという着眼点に尽きる」朝が来る 大塚史貴さんの映画レビュー(感想・評価)
朝斗の眼差しという着眼点に尽きる
河瀬直美監督作は初期の頃から全て見てきているが、これまでで最も広く受け入れられる作品になるのではないだろうか。辻村深月氏の素晴らしい原作を映画化するに当たって、2人の母親を繋ぐ「朝斗」の眼差しが必要だと強く感じたという河瀬監督に喝采を送りたい。
初号試写を鑑賞後、ある出演者と最寄りの駅に向かって歩きながら語らったが、年に数回あるかないかの「打ちのめされた感」を共有したことが忘れがたい。
永作博美と井浦新が良いのは充分に知っている。是枝組などで認識はしていたが、蒔田彩珠の才能に感動を覚えた。今後の活躍に目を離すことが出来ない新鋭である。
冒頭で触れた通り、「朝斗の眼差し」が徹頭徹尾、貫かれている。どうかエンドクレジットの最後まで席を立たずに余韻に浸っていただきたい。作り手たちの思いが、分かるはずだから。
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