「「太陽」に気づかない愚か者」見えない太陽 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
「太陽」に気づかない愚か者
「映画/批評月間」の第二弾。アルテ・フランス・シネマのディレクター、オリヴィエ・ペールのセレクションからスタート。一作目は、カトリーヌ・ドヌーヴ主演、アンドレ・テシネ監督作品。
2015年春。スペインとの国境沿いの村で農牧場を営むミュリエルの元に、孫息子が帰郷。彼は、その恋人と共に原理主義のイスラム教に心酔しており、テロリズムにも手を染めている教団に参加するため、バルセロナからイスタンブールを経由し、シリア入国を企てている。これを阻止するミュリエルの5日間の話。
孫息子アレックスは、社会への怒りや反発からムスリムとなった模様。もろもろ、幼稚なところ、あります。結局、シリアで訓練を受け、ISとの戦争や、西側諸国でのテロ要員となる。さしたる理由も無く?実際、シリアやISから帰還した人たちの話を聞くところによると、そんなもんらしく、報道で観ると、ウンザリしてしまいます。また、いつもの通り仏頂面のドヌーヴおば様ですが、この作品では、それが程よいリアリティを醸し出していて、良かったです。
同じような作品では、アルデンテ兄弟の「その手にふれるまで」を鑑賞しましたが、「希望のあるラスト」と言う意味では、こっちの方が好き。
桜農場に毎晩現れるイノシシを、ミュリエルは撃ちませんでした。猟銃を持ち、待ち構えていても、撃つ気がありません。また、シリアから帰って来た男を、農園で雇います。
排除はしないが、戦争にもテロにも、身内(自国民)を参加させない。
地味に良かったです。
で、二日目である今日みた、「アリスと市長」は更に良かったです。これ、なんで国内で上映せんかなぁ。ちょっと知識は必要ですが、硬派で素晴らしい映画でした。
と、昨日みた5本の感想文が終わったので、2回目のTENETに出発するで!