「一夜の冒険と友情の物語」ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー といぼ:レビューが長い人さんの映画レビュー(感想・評価)
一夜の冒険と友情の物語
何人かの映画系ユーチューバーさんが2020年公開映画のランキング動画などで挙げていた作品。前々から観たいと思っていましたが、公開中は観にいけなかったのでレンタルが開始された今のタイミングでの鑑賞になりました。
「勉強一筋だった女の子が卒業前夜のパーティーに参加する」という程度のあらすじを知っている状態での鑑賞です。
結論、めっちゃ面白い!!!!!
女の子同士の友情。恋愛。コンプレックスを乗り越えて行く過程。今まで「遊んでばかりの奴ら」とどこか下に見ていた同級生たちとの交流を通じて人には色んな良さがあるということを学んでいく。私自身は主人公の彼女らとは年代も性別も違いますが、彼女らを見ていると、自分も身につまされる部分も多くてまるで自分のことのように感情が揺さぶられました。この映画、最初から最後まで最高です。ただ、随所に結構生々しい下ネタが挟まるので、苦手な方には注意してほしいですね。家族で観ると茶の間の空気が凍るかも。
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生徒会長を務めるモリー(ビーニー・フェルドスタイン)と親友のエイミー(ケイトリン・デバー)は高校生活で全く遊ぶことなく学業に専念し、一流大学に進学できることを誇りに思っていた。勉強もせず遊びまわっている同級生たちをどこか下に見ていたが、彼らも自分と同じように一流大学に進学することを知り、勉強だけしていた高校生活を強く後悔することになる。高校生活最後の卒業式前夜、今までの分を取り戻すようにモリーとエイミーの二人はパーティーへ繰り出すのであった。
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モリーが進学することになるイェール大学は、2019年の世界大学ランキング8位の大学です。日本の東京大学ですら42位ですので、そのレベルの高さがうかがえます。自分が青春を投げうってようやく入学した大学に、今まで見下していた同級生のギャルも入学する。モリーは今までの人生を否定されたかのような強いショックを受けることになります。自分も似たような経験があるから分かります。これはマジでショックです。
アメリカでは卒業式前夜にパーティーを開くっていうのが普通なんでしょうかね。調べてみると、アメリカは小学校から高校までの12年間が義務教育なんだそうです。高校卒業は12年続いた義務教育の修了を意味しているため、日本と比べるとかなり大規模で盛り上がる卒業式になるらしいですね。新たな知識を得ました。
今まで遊んでこなかった二人の女の子が初めて参加する卒業式前夜のパーティー。意中の相手が参加しているパーティーを探して、同級生主催の様々なパーティーをハシゴするという展開ですが、今まで真面目一辺倒で過ごしてきた彼女らはパーティーの楽しみ方が分からず、ハメを外し切れていない様子がなんとも微笑ましいです。
意中の相手を探してパーティーを渡り歩くというたった一夜の大冒険が、二人の少女の価値観を変えるような事態へと発展していきます。脚本が素晴らしく、風呂敷広げ方・畳み方が実に見事です。笑いながら観られて最後にはほっこりとした気分にさせてくれます。
親友に隠していた秘密や今まで見下して関りを避けていた同級生たちの意外な一面を見つけた彼女らに待ち受ける未来は、今までの勉強ばかりで視野の狭まった頃からは想像できないほどに開けていることでしょう。たった一夜の青春を描いた素晴らしい映画でした。オススメの映画です!!!