「発想を生かしてない」ブライトバーン 恐怖の拡散者 ドラゴンミズホさんの映画レビュー(感想・評価)
発想を生かしてない
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スーパーマンが反抗期のティーンだったら…という根本的なアイデアを生かしきれていない。
●思春期の反抗期という設定が生かされていない。例えばエロ本見つけたおせっかいな親に逆襲とか、小うるさい教師に反抗とか、万引を見つけた店員に復讐とか。青春あるあるが惨劇に変わっていく方が共感できると思う。少年が単純なモンスターでは意外性がない。
●いままで虐めていたクラスの反応、とまどう大人たち、刑事の一人が真相に気づき、異常な我が子を守るべきかと親が悩む…といったドラマティックな展開がない。まわりが怪物登場に慌てふためくだけでつまらない。
小野不由美の小説「魔性の子」みたいにまわりの人間の思惑が次から次へと展開して先が読めない面白さがあればよかったのにな。
●怖くない。序盤で少年の正体を描いているから、ホラーになりにくい。
心理サスペンスとして描いた方が面白そうだ。反抗期の子供を諭し導くのも命がけだから。
●スーパーマンの能力が生かされていない。死体を隠すのにヒマラヤの山奥に捨てるとか、深海まで引き込んで圧死させるとか思い切ったアイデアがない。子供らしく野球のボール、あるいは単にデコピンで頭部破壊とか。殺し方がつまらないんだな。
透視能力でノゾキとか、氷の息で池を凍らせ好きな子をスケート・デートに誘うとか。
●欲を言えばフランケンシュタイン的な哀愁もあればよかったが…。結局は両親の描き方が良くないので、親子の葛藤にいけない。異世界の子供を拾ったら怪物でした。あら、殺さなきゃ…とあまりに雑な描き方だ。
着眼点は面白そうなのに残念。
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