「採石場と原子力発電所」スクールズ・アウト kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
採石場と原子力発電所
12人という少人数クラスの3年1組。優秀な生徒ばかりを集めたという実験的な試みだったが、その担任の先生が授業中窓から飛び降りて自殺を図ろうとする事件が起こる。代用教員としてピエール・ホフマンが赴任するが、6人の生徒が異様な行動を取っていたため監視を怠らなかった・・・
最近の若者は世紀末でなくても「世界が終わる」という思想に憑りつかれているのだろうか、J-POPの歌詞にしても映画やドラマにしても終末思想がどこもかしこもそうした台詞が隠されている。セカオワなんてバンド名からしてそうだし・・・
6人の優秀な生徒たちが作ったDVDがえぐかった。ディザスター、事件や自殺など、眼を背けたくなる映像満載。最も怖かったのは屠殺場のカットだった。これは先生に盗んでもらって見せるつもりで作ったのかもしれないし、いつかはドキュメンタリー映画として完成させるつもりだったのかもしれない。トランプの顔も登場したし、権力者が行動を起こすのは金と利益のみという主張も正しいと思うが、その行き着く先が集団自殺とは・・・?
ある程度理解できても、彼らが自分たちが死の間際まで苦しむ様子を撮影するのは奇妙すぎて異常な性格だと思う。終末の古城への体験旅行に何かが起きる!といった展開。環境破壊、戦争、ディザスター、厭世主義もここまでくれば立派だ。
カフカの論文を書いていたホフマン先生。ゴキブリにうなされるのもその影響だったのかもしれない。
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