劇場公開日 2023年3月10日 PROMOTION

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Winny : 特集

2023年3月6日更新

<社会の闇を暴く問題作>全日本人が観るべき重大事件
出る杭を打つ社会はここから始まった…怪優・東出昌大
が“憑依”の熱演、豪華俳優陣が渾身の芝居刻む野心作

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他人と違う目立ったことをすれば叩かれる。いま日本の社会を覆っているこの閉塞した空気はいつごろ生まれたのだろうか?

まさにその問いの答えの一端を示す、インターネット史上最大の事件の真相を、ほぼ全ての関係者を実名のまま描いた衝撃作が誕生した。

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3月10日公開の映画「Winny」は、稀代の天才プログラマー・金子勇が不当な逮捕から無罪を勝ち取るまでの7年の道のりを描いた迫真のヒューマンドラマだ。

本稿では社会の闇をえぐり出す実録ドラマとしての本作の魅力、そしてそれを可能にした、東出昌大ら実力派俳優陣の“怪演”について紹介していく。

映画.comは本作こそ、良作を求める映画ファンが観るべき作品であり、何よりこの事件の真相について多くの日本人が知るべきであると断言する――。


【予告編】不当逮捕から、無罪を勝ち取ることができるか――?

【特徴】この映画は“観るべき問題作”…出る杭を打つ
日本社会を痛烈に批判する、骨太のヒューマンドラマ

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★ストーリー:ネット史上最大の事件 実話をもとにした戦いの記録
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2002年に金子勇(演:東出昌大)が開発・公開したファイル交換ソフト“Winny”。日本のネット史を変える可能性に満ちた画期的なシステムであり、瞬く間にシェアを伸ばすが、その裏で著作権を無視した映画やゲーム、音楽の違法アップロードする利用者が続出し、社会問題となっていた。

2003年、違法アップロードによる著作権侵害でWinny利用者が逮捕される事件が起こり、さらに翌2004年には、金子自身も著作権法違反幇助の容疑で逮捕されてしまう。金子の弁護を担当することになったのは、サイバー犯罪に詳しい弁護士・壇俊光(演:三浦貴大)。

このまま金子が有罪になれば、日本の技術者が委縮してしまう。金子と壇は技術者の未来と権利を守るべく戦うことを決意する――。


★見どころは…衝撃を受け、思考を誘う強靭なテーマ
“天才が大成しない社会”になったのはこの事件のせい?
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約7年におよぶ裁判での戦いを描く本作だが、描写そのものは過度にドラマチックに煽りたてるものではない。では刺激的な“問題作”たる本質はどこにあるのか? それは強靭なテーマ性――現在の日本を覆う“空気”に対する鋭い批判にほかならない。

実は、金子の逮捕は“通常はありえない”ものだった。Winnyを利用して違法行為を犯した人は逮捕されてしかるべきだが、開発した本人は違法行為を犯していないからである。劇中のたとえを借りれば、「包丁で刺した人は逮捕できるが、包丁をつくった職人は逮捕できない」のだ。

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しかし、現実の金子勇氏は逮捕された。それはなぜなのか? 本作「Winny」は、金子が逮捕された顛末と裁判の様子を克明に描き、強引な捜査を繰り返した警察への疑問を投げかける。

さらに、その眼差しは日本社会全体にまで注がれる。イノベーションをもたらす者の粗を探し、ミスや過失をあげつらい、再起不能になるまで叩く。そんな光景がこの十数年だけでも何度も繰り返されてきた。その結果「出る杭は打たれる」という意識が社会全体に浸透し、いつしか日本は「天才が大成しない社会」とまで言われるようになった。

このWinny事件はそんな風潮を象徴するものといえる。では事件の最大の“罪人”は誰なのか? 金子? 警察? 国家? マスコミ? 大衆? それとも……。裁判の行方を映画館の客席からのぞいているつもりが、実は我々こそ証言台に立たされ「こんな社会で本当にいいんですか?」と問いかけられているのかもしれない。


★ハリウッドのテイストで紡がれる、迫真の映像世界
若き新鋭と豪華俳優陣で描破する“反対尋問”に痺れる!
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実際の事件をベースに精緻な法廷ドラマを淡々と描きつつ、登場人物たちの人間的な魅力を感じさせ、なおかつ現代に生きる我々に警鐘を鳴らす――。社会性とエンタテインメント性の両立と迫真の映像クオリティはハリウッド映画をも彷彿とさせる。

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演出・脚本の松本優作監督は、勢いとエネルギーを放出する一方で、ベテランの社会派監督のような円熟味をもみせてくれるが、なんと撮影当時28歳。そんな新鋭監督の下に主演の2人に加え、渡辺いっけい、吹越満、さらには吉田羊、吉岡秀隆ら多くの実力派俳優陣が集ったのは「面白い作品になる」「これを世に送り出さねば」という熱い野心があったからこそ!

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ハイライトは、弁護側が警察、検察の“嘘”を暴いていく反対尋問のシーン。演じたのは吹越満(弁護)、渡辺いっけい(警察)だ。超一流の演技と演技のぶつかり合いを通じて、徹底して法廷での論戦、つまり“言葉”による戦いを魅せる。そして本件がいかに矛盾に満ちた不当なものであるかを明らかにしていくさまは圧巻で痛快だ。鋭い言葉の槍に痺れるだろう!


【主演・東出昌大】この男、怪優であり憑依型――!
超リアルな演技と息を呑む存在感に、関係者も驚きの声

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★今作の東出昌大、もはや“怪演” あえて紹介したいほどの存在感
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やはり、本作を語る上で欠かすことができないのは、金子を演じた東出昌大の存在である。正直に告白すれば、彼にまつわる一連の報道を我々も把握している。

しかし、今回はあくまでも、“映画のなかのいち俳優”としての東出昌大について語らせていただく。本作のために18キロも増量したという見た目の変化も含め、もはや“怪演”という言葉がふさわしいからだ。


★憑依に驚愕の声… 実際の金子さんを知る人から「生き写しのよう」
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今作の東出の演技タイプをあえてカテゴライズするならば、“憑依型”だ。先述の18キロの増量はあくまでも見た目の変化だが、その“器”に金子氏が乗り移ったのか? と思わせるほど別人になり切っている。

取り調べで言われるがまま調書にサインをしてしまうなど、他人の言葉を疑おうとしない世間知らずなさまや、弁護団のメンバーからも「つかみどころがない」と言われ、一番の味方である壇に「金子さん、勘弁してくださいよ!」と呆れられるほどのマイペースぶり……。

そして、自身の開発したソフトについて、夢中になって説明する様子など、生前の金子氏を知る人々が「生き写しのよう」と口々に語っている。特に、金子氏の姉が「(映画を観て)弟が生き返ったようで、思わず涙が出てしまいました」と東出宛ての手紙にしたためるほどの怪演をぜひ劇場で目に焼き付けてほしい。


【鑑賞の手引き】
“あの映画”が衝撃受けたなら、「Winny」は必見

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最後に、読者の皆様へ。本作から得られる衝撃や感情をより想像してもらいやすいように、いくつかの類似作をピックアップ。

特に、弁護士と被告の人間ドラマが心を打つ法廷劇の名作、天才やイノベーターの内面をスリリングに描く傑作が好きな映画ファンであれば、「Winny」は以下の作品と同じ棚に並ぶ大切な作品となるはずだ。


<弁護士と被告の関係を描いた名作>
■「シカゴ7裁判」

本作の松本優作監督も好きな作品に挙げている近年の法廷ドラマの名作。1968年の民主党大会におけるデモ隊と警察の衝突事件の7名の被告、彼らを支える弁護士や支援者たちの戦いをドラマチックに描く。

■「アラバマ物語」

性的暴行容疑で逮捕された黒人青年の弁護を担当する、白人弁護士を主人公にした法廷ドラマの金字塔。裁判に挑む人々を通じ、社会の差別や空気感を浮き彫りにする点で、「Winny」に深く通底している。

■「黒い司法 0%からの奇跡」

弁護士のアツい“想い”が「Winny」に通じる。犯してもいない罪で死刑宣告された黒人の被告人を助けるため、新人弁護士のブライアンが立ち上がる。が、仕組まれた証言や白人の陪審員たち、証人や弁護士たちへの脅迫など、数々の困難に直面する。

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<天才やイノベーションをスリリングに描いた名作>
■「ソーシャル・ネットワーク」

「Facebook」の創設者マーク・ザッカーバーグの非凡な才能と特異なキャラクターを中心に、Facebookがどのようにして世界を席巻するに至ったのかを描く。舞台は2000年代なので、ちょうど「Winny」の時代背景とも一致する。

■「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」

しがないセールスマンが、あのマクドナルドの創業者となるまでを描いた実話もの。「この男は怪物なのか、英雄なのか」を観客に問う物語展開が「Winny」に通じる。

■「スティーブ・ジョブズ」(2013、15)

「天才を描いた映画」というと、「ソーシャル・ネットワーク」と並んで即座に連想する作品。「Winny」は、今作を含め上述の作品群とは物語展開やテイストがまったく同じというわけではないが、「天才の頭脳をのぞいてみたい」と考える人はまず鑑賞してみるといい。


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