「技術者の使命と特権」Winny U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
技術者の使命と特権
興味深い話だった。
ただ、その話を活かしきれてないようにも思う。
俺も名前くらいは知っている「Winny」
使った事はないようには思うけど、同様の事が出来るソフトはいくつかあったように思う。
当時は官房長官が会見を開く程の話題だったのだなぁ。国を挙げてwinnyのDLを阻止したかったのか。
思うに…
この裁判を経て「開発者」の使命と特権は守られたわけだ。エンディングでお亡くなりになったとの記述があり、残念に思う。
取り調べで本人の不手際がありはしたものの、警察の立件の仕方には嫌悪感しかない。
時代背景では「開発者の告訴は世界初」とあって…警察の威信を誇示したい上層部が「日本警察が世界に先駆けてIT犯罪の根源を逮捕するんだ!」みたいな辞令があったように思えてならない。
裁判長にしてもなんだかうだつの上がらないような爺さんがキャスティングされてて、どこまで根回ししてたんだろうと疑念も浮かぶ。
「ナイフを作った人を有罪には出来ない」
その論調は至極正しいと思うのだけど、その原則を難癖わつけまくって有罪にしたって印象だ。
面白いネタなんだけどなぁ…。
作品的にはいまいちパッとしない。
東出氏のキャスティングも微妙だし、その役作りもエンドロールのご本人を見る限り的外れなような気もしなくはない。
壇との友情にも舵を切りきれなかったようにも感じる。なんつうか核心を突ききれなかったような印象で、まさかとは思うが警察への忖度でも働いたのかと勘繰ってみたりする。
winnyは未完成だったんだろうと思う。
それに加えてネット関係の整備も整ってはいなかったのだろう。そう思えば世界のセキュリティレベルを何段階も上げたって事にもなるのかもしれない。
早過ぎたのかもしれないよねぇ。
起きるべくして起きた混乱なのだろう。
ただ、そんな事が1ルームの間取りに住む人間がやってしまえるってのは驚異だわなぁ。
金子勇さんは、間違いなく天才だと思う。
県警の裏金のエピソードも面白かったなぁ。
どれもそれもいいネタなのに調理法を間違えたような印象だった。