劇場公開日 2023年3月10日

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「本作を見終わった後に金子勇氏のWikiの批判を見ると思う所はある。」Winny you takaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0本作を見終わった後に金子勇氏のWikiの批判を見ると思う所はある。

2023年12月15日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

知的

作品自体は当時子供の頃だったので曖昧にしか知らなかったことを知れた気がして面白かった。

作中で何度か「ナイフで人を殺した場合、ナイフを製造した者が罰せられるか?」という例が出てくる。作品を見ている最中は確かにそうだと思った。
しかし、批判を見ると考えが覆った。
金子氏が行ったことは、自身が製造したナイフをナイフ協会やナイフコミュニティに披露して技術研鑽するのではなく、闇市で「俺の作ったナイフはあのナイフより優れてるから使ってみてくれ」と提供したようなものと考えることが出来る。これだと話が変わってくる。

P2PのソフトウェアであるNapsterの運営会社が2001年にアメリカ連邦裁判所で著作物に関して違法判決を受けているという情報をP2Pの勉強をしている者が知らなかったのかという疑問が残る。知っていた場合、未必の故意なのではないか。
金子氏は性善説の上、Winnyを提供したのかもしれない。もしそうならば、人間が余りにも愚かであるということを考えなかったのだろう。

自身が積極的に参加しているコミュニティ(2ちゃんねる)で自身の実力を見せつけたいという今で言う承認欲求があった可能性も否めない。2ちゃんねるの技術部長などのように祭り上げられることに快感を得ていた可能性も今となっては知る由もない。憶測の域を出ないが良くも悪くも想像というものは膨らんでいく。

意図的に織り込まえている無能な年長者たちの描画が気になった。
冒頭でP2Pの説明をしている時に話を聞いていないおじさん弁護士、裏金の主犯格のおじさん警察官、ITが全く分からないおじさん裁判官。
愛媛県警の裏金問題はWinnyによって暴かれたがどうも関連性が薄く感じてしまう。
「無能なおっさんが未来ある若者を潰す」というメッセージをねじ込んだのではないかと個人的には感じた。

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you taka