「警察、メディア、開発者、」Winny maruさんの映画レビュー(感想・評価)
警察、メディア、開発者、
「Winny」が誰に潰されたのか。Winnyを使い映画・文書など著作権を持つデータの流出が問題となった。警察は、アップロードした複数人を逮捕し、警察は面子を保つために「開発者」という大看板を逮捕した。逮捕したはいいが(これ何の罪だ?アメリカでは開発者の逮捕はないぞ…)と、警察は自白まがいの誓約書を金子氏に書かせ強引に罪を認めさせた。
一方、愛媛県警の偽造領収書問題でWinnyから証拠が流出。
金子氏を逮捕した京都府警の内情が描かれていないのは、当然京都府警が取材を許可するはずなく=取材できなかったからだと思うので憶測に過ぎませんが、本映画で伝えたい一つとして、警察は「面子を保つためには何でもする」ということを描かれていました。
取材できた愛媛県警を告発した仙波氏について描けたのは「取材できたから」であり、その取材をもとに描かれた愛媛県警の描写は、所々ですが具体的であり、組織を守るという体裁で若い警察官も偽造領収書に加担する。劇中で、若手警察官がニセ領収書に協力しない仙波氏に対し「仙波さんなんで辞めないんですか」と聞いたら、仙波氏が「山本、やめるのは簡単なことやぞ」と、2つの意味で若手に苦言を呈する場面が印象的でした。
Winnyを潰したのはアメリカだという諸説もありますが、劇中では「出る杭は打たれる」という例えの中で、出る杭を支える者・打つ者・指示する者という、そこには複数が関わっているというセリフがあった。ここは警察組織の中で、または警察(支える=逃がさない)・報道(打つ=叩く)・裁判所(指示する=判断する)という意味合いにもとれる。
お亡くなりになっている死因も長い裁判で無罪を勝ち取るまでに相当なストレスを抱えられていたのだと、警察の取り調べの様子、報道によって印象づけられた世間の中で生活する気苦労を察するに、相当な気苦労があったかと思われます。
日本の悪いところがとてもよく出ていて学べます。これを「そんなことないんじゃない」という風に鑑賞する、思考をやめるのは簡単なことです。