東京干潟のレビュー・感想・評価
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なぜそこ
多摩川河口でシジミ採りをしながら、ネコさん達も飼っているホームレスのおじいさんのドキュメンタリー どうやら羽田の近くらしいモノレールや飛行機が 若い頃はバリバリ働いていたらしく、建設業で片目失明してから河川敷へ
シジミも乱獲で段々捕れる量が少なくなり、台風、工事で干潟の面積も減り、それでもネコには餌をやりキチンと飼い続けている 動物を飼うとはこういうことである 温暖化も影響?自分の生活も大変そうで、捨てていく人がいる一方でである ちゃんと労災か年金貰ってくれよとは思った ただまだご元気でもう91才になられるとのことです 御本人様は今が一番幸せとのことでしたが、こういう人物にこそ良い事がありますように!
干潟
蜆爺さんを見ていると、これはいかにも昭和の代表的な人物だなと感じる。
この年代の人はコミュニティをとても大事にする。職場仲間も猫ちゃんたちも皆自分の家族同然のふれ合いをしている。家族であればこそ喜びも悲しみを分かち合える、そんな風情が彼からは見てとれる。
でも年々東京からこういうコミュニティも失われていくんだろうな~ぁ
SNSなんかとてもそれに変わるようなものになり得ないと思うし、そういう意味じゃ今の世の中こそが干潟だよね。東京はまさに干潟です。
多摩川河口のホームレス
多摩川の河口でしじみを取りながら、その日暮らしをしている80代の男性を追う。
捨て猫が可愛そうで飼っているが、しじみ代はエサ代に持っていかれる。
このホームレスの人生は日本の戦後とリンク、これからの日本への警鐘になっている。
「どんなものにも生きる権利がある」
同時公開されている「蟹の惑星」と、同じ時期、同じ干潟で活動する、80歳半ばの老人を描いたドキュメンタリー。
事故で失った片目を隠すことなく、河川敷に小屋を建てて、たくさんの捨て猫と一緒に住んでいる老人は、「あんた環境省の人?」と、向こうから監督に話しかけてきたという。その堂々としたオープンな姿を見て、監督は「これは映画に出来る」と直感したらしい。
一方、老人は「俺なんか映して映画になるの?」と思っていたようで、自分の特異性には無自覚であった。
監督は4年間にわたって通い詰めて撮影し、何度も繰り返しインタビューして、老人の生き様を浮彫りにする。
大きいシジミだけ採るのはなぜか、なぜ素手で採るのか。どのような気持ちで捨て猫と暮らしているのか、なぜ河川敷に居着いてしまったのか。そして、これまでの人生はどのようなものであったのか、なぜ片目を失ったのか。
80代とは思えないがっちりした体躯をもつ、この心優しき老人は、チューハイを片手に、「どんなものにも生きる権利がある」と何度も語るのだ。
漁師による乱獲と、工事による環境破壊で、シジミは激減しているそうだ。
また、バブル期を彷彿とさせるオリンピック特需の東京を眺め、その先に何があるのかと、老人は苦々しい。
しかし、それでもなお、台風の後、濁流で増水した危険な多摩川のほとりで、なぜか老人は元気なのである。
丁寧に描かれた最高のドキュメンタリー!
冒頭から、片時も目を離せない無駄のないシーンの数々。見る人の感性に委ねられる、押し付けがましくないメッセージ。
表現したい物がある人が、優れた表現力をもって、丁寧に描いた最高の作品。
今もう一度観たいし、30年後の東京でもまた観たいドキュメンタリーだと思いました。
今年のベストドキュメンタリーの1本!
潮が引くとカニ→鳥→バードウォッチや潮干狩りの人と様々な生き物が集まり、潮が満ちるといなくなっていく様をみて干潟は劇場のようだと舞台挨拶で語る村上監督。
シジミをとるおじいさんと背景の対比、捨てられた猫たちとホームレスの人々、今の日本を切り取っているようでした。
パンフレット、過去作DVDの売上はシジミおじいさんの猫の餌代にカンパとなるそうですよ。
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