「NPC」フリー・ガイ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
NPC
う~ん、何だか“モブキャラ”という言葉に騙され、途中まではリアルで誰かが操作してるんだろうと思ってた。とにかくNPCという言葉をモブキャラと訳すこと自体が日本的であり、モブキャラだって人間だ!と、一人の小市民として主張したかったのだから、間違えてもしょうがない・・・と先ず言い訳。『竜とそばかすの姫』を見たことにも起因してるかな。あのモブキャラたちにはプレーヤーがいたはず。
そんなモブキャラ“ガイ”が徐々に背景キャラから意思を持つようになり、退屈な日常に疑問を持ち始め、謎の女性モロトフ・ガールに興味を持った。電車にはねられ、車にはねられ、彼女を追いかけるガイ。喋る機会を得たものの、レベルが低すぎると足蹴にされ、サングラス族しかできない銃撃や盗みなどを繰り返してレベルアップに励むのだった。真の開発者であるキーズが「AIが誕生した」と大喜びし、世界中のゲーマーたちもNPCが意思を持ってレベルアップに励む姿に感動するようになっていく。頑張れ、ブルーシャツガイ!
一方、キーズの共同開発者だったミリーがゲーム内でモロトフとなり、CEOのアントワンがプログラムを盗んだ証拠を探る。思いがけなくガイがレベルアップしたものだから、彼に未来を託そうとするのだ。
『ザ・スーサイド・スクワッド』でいい父親役をやっていたタイカ・ワイティティも嫌な社長役を怪演。もう、完璧なウザキャラです。そして意外なマーベルヒーロー+スターウォーズネタというディズニーらしいサプライズ。こんな使い方があるとなれば、何でも買収したことに批判もできなくなっちゃいますね。さらに『ゼイリブ』を彷彿させるサングラスとプロレス・・・さすがに『デッドプール』のポスターは見つけられなかったけど。もう一度見ればまだまだ発見できるのかな~
AIが登場する映画の多くが悲劇的な結末を迎えますが、この作品はかなり幸福感を与えてくれると思う。やっぱり開発者の意思が入っちゃうもんですよね。