「冴えわたるライアン・レイノルズのノー天気演技」フリー・ガイ regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
冴えわたるライアン・レイノルズのノー天気演技
「とあるゲームの世界に生きるモブキャラが自我に目覚めたことで巻き起こる騒動」…この文章の「ゲームの世界に生きるモブキャラ」を、「街で暮らす一人の男」に変えれば『トゥルーマン・ショー』になる。
また、特殊なメガネをかければ真の世界が見えるという設定は、言わずもがなジョン・カーペンターの“あの映画”を連想させるし、ついでいえば、近作の『コンティニュー』のような、主人公が何度も死んでも同じ朝を迎えるというタイムリープ要素も含むなど、設定だけ抜き取れば、似たような過去作品がいっぱい挙げられる。
それでも本作が一つ突出しているのは、やっぱりライアン・レイノルズ扮するノー天気なモブキャラ男の魅力が大きいと思う。『黄金のアデーレ 名画の帰還』、『白い沈黙』などのシリアス演技もいいけど、ブレイク作『デッドプール』のような陽の演技がこの人には合っている。
20世紀FOXがディズニーに買収されたことがプラスに働くクライマックスもいいし、個人的には『アメリカン・ヒーロー』のテーマ曲が聴けたのが最高。ブロマンス要素もあるから腐女子も満足できる、かも。
蛇足だがパンフレットが売ってなかったのは残念。パンフが作られない作品が増えているのも、やっぱりコロナが関係しているのか。
コメントする