「タップシューズの反射に。後悔と自責の念。」スウィング・キッズ bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
タップシューズの反射に。後悔と自責の念。
韓国らしいコテコテの胸熱モノを期待していましたゆえ、前半戦がちょっと物足りなくて。これがデビッド・ボウイのモダン・ラブでテンション爆上げ。Kwang-gook登場からは「南北ネタになるとマジシリアスになる韓国」でハラハラドキドキ。しかも、まさかのバッドエンド。しかも相当キツいし哀しい。と言うか惨い。
劇中「共和制も民主制もソ連とアメリカが持ち込んだ」的なセリフがあります。そうなんですか?二つの政府も開戦も分断も、全部を他国のせいにしちゃダメでしょうに。イデオロギーなんか無ければ戦争は無い、なんてことは無い。
いずれにしてもファック・イデオロギー。戦争の理由になってしまうイデオロギー、と言うより、理由にしてしまう人達にファッーーク!
モダン・ラブをバックに、止むに止まれぬダンスで水たまりを踏みつけ砂埃を上げ、一心不乱にステップを踏み続けた若い二人は、自動小銃の弾を浴び倒れます。パンネまで犠牲になってしまい呆然。ただ自分が生きたい様に生きようとしただけなのにね。
捕虜収容所で虐げられた者の記録は、同じアメリカ人である黒人が虐げられる側にあり。Freedom Hallでダンスバトルするジャクソンとロ・ギスと、それをのぞき見する三人の姿が涙を誘う。
良かった。とっても。色々と生々しくて。
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6/1 追記
トラックの荷台に乗り込むジョンソンの顔に、鏡で反射したかの様な光が射し込んで来ます。ふと見やると、並んだ遺体に掛けられたカバーから、タップシューズを履いた足だけが飛び出しています。タップで反射した朝日が、収容所を去ろうとするジョンソンの顔に纏わり付く。ツアーに連れて行ってくれるんじゃ無かったのか、とでも言っている様に。
戦争記念館となった収容所跡地を訪れたのは、年老いたジョンソン。Freedom Hallのタップ・バトルで負けたのは、ジョンソンでした。記憶を辿るジョンソン。競い合い様に踊り続ける二人。それを外からのぞき見する3人。いや、4人。自分のダンスを見せつけあっていた2人は、いつの間にか同じステップを踏んでいます。手を打ち鳴らす音とタップの音がホールに響き渡る。
ダンスなど教えなければ良かったのか。そうすれば彼らは生き続けられたのか。
俺は。あの時間が永遠に続けば良かったのにと。
そう思ってる。
みたいな。
後半戦が、ものすごく好き。パラサイトやジョジョラビットがあれだけもてはやされるなら、こっちにも、もっと人が集まっても良いと思う。埋もれるには残念過ぎる優秀賞な映画でした。
bloodtrailさん、コメント有難うごさいます。映画館の常連さんですね。映画.comの「上映館を探す」て見たところ、エリアは限定されていますが未だ上映されているようですよ。
私の観た映画館では、後1週間位でしょうか。
容赦ない終盤の展開は、監督の平和への思いの深さなのでしょうね。
私は頭の中で、時々「sing,sing,sing 」が流れます (^^)
bloodtrailさん、コメントへの返信有難うごさいます。
「パラサイト」、監督の意図の一つかもしれませんね 🤔
彼らが余りに活き活きと目の前に存在していたので、上映後暫く心を持って行かれました。
modern love 良いシーンでしたね。若さそのものの輝き。既に二度鑑賞!映画愛ですね。
おはようございます。
レビューを拝読し、自分のレビューを見たら”ウワワワーー、凄く恥ずかしい間違いをしている!” 自分のレビュータイトルに引っ張られたのかなあ・・。慌てて、修正しました。
有難うございます。
けれど、今作は切なくも良い映画でしたね・・。
では、又。