「【”ダゲール通りの小売り店に流れる時間を切り取る・・。”このドキュメンタリー作品にはダゲール通りに住む人々の確かな生活と幸せと、少しの悩みが詰まっている。不思議な風合の素敵な作品である。】」ダゲール街の人々 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”ダゲール通りの小売り店に流れる時間を切り取る・・。”このドキュメンタリー作品にはダゲール通りに住む人々の確かな生活と幸せと、少しの悩みが詰まっている。不思議な風合の素敵な作品である。】
■アニエス・ヴァルダが50年以上居を構えていたパリ14区・モンパルナスの一角にあるダゲール通り。
“銀板写真”を発明した19世紀の発明家の名を冠した通りには、さまざまな商店が立ち並ぶ。
そして、アニエス・ヴァルダは自らが愛する下町にある小売店を営む人々(夫婦二人が多い。)の仕事をする姿を、愛おし気な視点で切り取って行く。-
◆感想
・パン屋、美容室、時計屋、肉屋、仕立て屋、小さな食料品店、化粧品を扱う店が、次々に撮影されていく。お客さんとの遣り取りも様々な仕事の音も収録されている。
・アニエス・ヴァルダはそれぞれの店の人々、ご夫婦に馴れ初めを聞いたりしている。その問いに、少し照れ臭そうに答える人々。
これは、彼らとダゲール通りに住んでいた、アニエス・ヴァルダとの間に信頼関係があるからだろう。
・作中、効果的に描かれるマジックショー。街の人達は、楽しそうにそのショーを見ている。
<この作品の中で描かれる、ダゲール通りに住む人々の表情は豊かだ。
そして、この作品からは確かな生活をしている人々の、細やかな幸せが視る側に伝わって来る。
不思議な風合の、素敵なドキュメンタリー作品である。>
■「顔たち、ところどころ」を劇場で観た際には、アニエス・ヴァルダ監督の事を良く知らなかったが、人々の生活と表情を写し取る事に拘りを持った監督である事を再認識した。
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