「1+1=2とは限らない・・・お前はのび太か!」女霊館 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.01+1=2とは限らない・・・お前はのび太か!

2020年8月16日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 開いてはいけない箱を開いてしまう。誰しもが興味本位で開けてしまうだろう謎の箱。昔からパンドラの箱があるじゃないですか・・・開けちゃうんですよね。この映画では災いというより、開けた妊婦の胎児にとり憑いてしまい、赤ん坊の未来を乗っ取ってしまうというもの。

 ピアース教授の妻リサは、妹からの引越し祝いとしてこのアステカの箱を貰う。森の中で気味悪い女性の忠告にも従わなかったためか、何気なく開けたリサ。2階で物音がしたので調べてみると、まだ組み立ててもいないベビーベッドが出来上がっていて、そこには赤ん坊の姿があった。そして突然の腹痛からの流産・・・単に怖がらせるだけじゃなく実力行使の幽霊たち。最初は赤ん坊だったが、小学生くらいの女子、10代後半の女子、そして老婆。見てはいけないものが次々と夫婦を襲うのだ。

 プレゼントを贈ったベッキーもやってくるのですが、以前住んでた家では彼女がお香で火災を起こすというファンキーな姉ちゃんなのだ。社宅の世話もしている学生デイビッドにも色気で迫りそうな雰囲気。かなりの問題を起こすのかと思えば、幽霊に脅されてすごすごと自宅に帰ってしまう。

 大学で数学以外に超心理学を教えている学部長のロナルド・クラークの存在がまたナイス・キャラ。盲目である上に、“迷信superstition”を信じているのだ。お前はスティービー・ワンダーか!?といった感じで、物語に大きく関わってくるのです。

 全体的に驚かせ方が上手い!部屋の冷房が効きすぎてたのかもしれないけど、鳥肌が立つくらい怖かったです。窓に映る影、血だらけの人、鏡の中の自分etc.と怖い要素をふんだんに使い、ついには殺されてしまうという恐怖。箱の持ち主を辿ると、かつての殺人事件も絡んできて、終盤の展開にも驚かされる。これが日本未公開なのはおかしいだろ!くらいにホラーの秀作だと思いますよ。

kossy