「子供たちに拍手!!」生き人形マリア Naakiさんの映画レビュー(感想・評価)
子供たちに拍手!!
映画の冒頭、新しくできた学校の竣工式、市長も参加している式にそこに呼ばれた建築会社のオーナー夫妻、しかし.....。そのパルド夫人の服を見て、目が点となる。彼女には、TPOという文字がないらしい。すみません。フィリピンの方々....。いきなり、映画を見ようとして構えている者にとって違和感丸出しの服装にびっくりしていると、後でお葬式のシーンで2度びっくりさせられることとなる。
That marks the opening of Little Magnolia's building.
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I assume everything is okay.
-Yes.Thank you for your support.
Almost all the kids in Montaǹo are enrolled in this school.
I don't want another accident to happen.
-It won't happen again.
この作品は、フィリピンが舞台の呪われた3体の人形が引き起こす恐怖を描いたホラー映画となっている。
事の始めは、学校のバス旅行に行った3家族の娘さん達が、その彼らが乗っていたバスが橋から転落し、3人とも亡くなってしまうという悲劇から物語が始まる。そして、時がそれほど立っていないためか、自称、精神科医と名乗る男が、現れ、彼らの痛みをいやす実験として、人形を置いていこうとするが、その人形の外見を一見しただけで、どこか薄気味悪く、また、亡くなった我が子を思い出させるようのものをすぐ近くに置いておきたくない感情からか、はじめは、即答で断っていたが....?
子供の死後、おのおのの親は、その彼らの突然の死を受け止めることが出来ずに、ある者は、廃人のように、ある者は、神に祈るだけの生活をしていたが、そんな彼らの感情が、変化していく様子やある意味、当初、忌み嫌っていた人形を愛せるようになる過程が、この映画の見どころと言ってよく、後半の人形が動き出してくるあたりから、映画自体のテイストが変わり、しらけさせてしまっている部分も出てきてしまう。それをとがめても仕方のないことで、あからさまに低予算で、精巧に描写するCGもなければ、高度なギミックも存在しないので、その点は、目をつぶっても良いのかとは、思える。
ところで、この映画には、英米の教養の基礎、または伝承童謡とされるマザーグースのJackとJillの歌が登場する。(一説には処刑をされた....という意味もある??)
"Jack and Jill went up the hill
To fetch a pail of water.........(略)"
それとは別に、カトリック教徒が人口の80%を超えるお国柄からか、それともただ単に日本でも見られるようにハリウッド流の他宗教を茶化した、また教義も経典も持たない民間宗教のため、テレビや映画が呪術の部分だけを取り上げた結果なのか、この映画でも安易にブードゥー教を"悪"の権化の象徴のように登場させている。
Aren't you tired of crying ?
I have the solution to your problem.
何といっても、3人の娘さんたち子役の方々の頑張りがよくわかる映画で、バス事故の死体になるシーンの演技や後半のアクションシーンなど何故そこまで、子供にやらせるのかと思うほどの出来上がりです。拍手モノです。パチパチ!