「スチームパンクの新たな秀作」アヴリルと奇妙な世界 ローチさんの映画レビュー(感想・評価)
スチームパンクの新たな秀作
科学者が攫われて科学が今の地球のように発達しなかった、そのせいで蒸気機関が発達してスチームパンク的世界が生まれた、という世界観が面白い。スチームパンク的世界の成り立ちをちゃんと説明している作品は、意外と少ないのではないか。物語は、科学者一家の娘であるアブリルが消えた家族と、不老不死の血清を巡り地球外生命体と壮大なスケールで争うというもの。自然と科学という、宮崎駿的なテーマを匂わせつつ、しゃべる猫の相棒や、飛行機、雷雲の中の本拠地などや歩く家などスタジオジブリの様々な作品の意匠の影響を受けている。
科学の究極の罪とも言える核兵器も登場し、科学は人を幸せにするのか不幸にするのかを観客に問いかける。
主人公のアブリルはとてもチャーミング。猫のダーウィンも憎まれ口が上手く、憎めない性格をしている。終盤のダーウィンの大活躍はむしろ主人公を食う存在感だった。不老不死の猫すごすぎる。
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