「無気力だった登場人物たちが生きる希望を見い出す話」見えない目撃者 かちかち映画速報さんの映画レビュー(感想・評価)
無気力だった登場人物たちが生きる希望を見い出す話
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無気力だった登場人物たちが生きる希望を見い出す話。この映画には熱血で暑苦しいキャラは1人も居ない。弟の死と向き合えないナツメ(吉岡里帆)、進路が決まらないハルマ(高杉真宇)、定年後の趣味がない木村(田口トモロ)、仕事に関心がない吉野(大倉孝二)。みんな人生に対して悲観的な考えを持っている。そんな彼らが事件を通して、人生と向き合い前向きになる姿に勇気をもらえた。
特に俺はハルマに共感できた。俺も高校生の時は進路なんて決めてなくて、将来やりたいことがなかった。もしハルマのようにやりたいことを若いうちに見つられてたら、今頃人生かわってたんだろうなーと羨ましく思う。「俺、警察官になれっかな」最後ハルマがナツメに放った言葉はベタだがホッコリした。
日下部(浅香航大)の描写が薄かったのが気になるところ。ナツメに「俺も人生に絶望した。お前も俺と同じだ」と言ってたけど、何に絶望して何がナツメと同じなのかが分からなかった。日下部の掘り下げが甘く、ただのサイコキラーにしか見えなかったのが残念。
犯人の予想は見事にハズレた。途中からずっと吉野かと思ってたからね。大倉さんの悪人面はズルい。あえてミスリードを誘うためにキャスティングしたんかな。
グロいサスペンス映画かと思いきや、中身は自分の人生と向き合う希望に満ちあふれた話だった。俺は現在28歳、やりたいことを見つけるにはまだ遅くないはず。
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