劇場公開日 2019年9月20日

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「それぞれの微妙な関係性を描けてる秀作」見えない目撃者 komagire23さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5それぞれの微妙な関係性を描けてる秀作

2019年9月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

面白かったです。

それぞれの登場人物の微妙な関係性が意識されて描かれていて、それぞれの優れた役者の方々の演技だけでなく、脚本・演出としても優れている映画だと思われました。邦画ではこの微妙なそれぞれの関係性を描けている作品もそんなにないのではと。
(例えば、木村刑事(田口トモロヲさん)と髙橋一課係長(酒向芳さん)との重層的な関係性を声のトーンで使い分けるちょっとした場面など、このカットに限らず様々な場面でそれぞれの重層的な関係性を、さらに時間過程で微妙に変化して行くさまを、脚本・演出の段階で意識的に描いていたとは思われました)

この微妙なそれぞれの登場人物の距離感がリアリティと自然さを映画全体にもたらしていたと、この脚本家・監督は人間を深く分かっているなと、ずっと感心しながら見ていました。(偉そうでスミマセン‥)
この人間本来のそれぞれの微妙な距離感の理解こそ、この作品を優れた作品にしている本質だと思われました。

もしこれが邦画オリジナルなら満点でも付けたいぐらいに、(それはそれで良さもあるのですが)距離感が2段階ぐらいしかなくさらに固定もしている(いわゆるキャラに特化し過ぎの)他の邦画も(もしリアリティを意識してるなら)参考にして欲しい作品だったと思われます。

皆さんも書いていますが、吉岡里帆さんの演技は今までの評価が変わるぐらい良かったと思われました。素晴らしかったです。
あと映像演出も、人口音の使い方も上手いなと。

グロが絶対ダメな人以外は、お勧め出来る秀作だと思われます。劇場でぜひ。

komagire23