劇場公開日 2019年9月20日

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「評価が高めだったので観てみたものの…」見えない目撃者 キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5評価が高めだったので観てみたものの…

2019年9月22日
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(以下、間接的なネタバレちょっとあります。)

「サイコキラーは慌てない・走らない」「主人公は間違えない・自分の死を恐れない」みたいな、昔のサスペンスの教科書通りに演出した結果、緊迫感のあるシーンほど、すべて古臭くてウソ臭くて冗長になっている。
ラスト20分程、あの洋館のシーンはそれが延々と続く訳だけど、思い返して見れば、冒頭の事故のシーンから違和感は感じていた。「なんだ?この緊急時なのにダラダラしたシーンは…」元ネタになった韓国映画は観ていないので分からないが、もしかするとこの監督のクセなのかな。

とはいえ、どう見ても「弟の死」と「警官を目指してやむなく諦めた」って過去だけで主人公「なつめ」があれほど執着し、無謀な行動に及ぶって飲み込みにくいし、手助けする少年「春馬」もバイト中になぜか突然正義感に目覚め生命をかけた調査にのめり込んじゃうし、刑事は一般人を危険に巻き込んで規則や指示を無視するし…
その危険を冒すメリットは少ないのに、結果としてそのリスク通りに被害者が増えていく。

映画全体を通して最初から「こんなシーンを撮りたい」「こんな結末を描きたい」があって、それに合わせてキャラクターが動かされているというか、回収するために伏線が後付けされている様に感じてしまった。

残念ながらそういう目で観てしまうと、ラストの墓参りなんて、ただの伏線総回収シーン。
あの盲導犬パルでさえ「犬好きへの媚び」の為に酷い目にあわされたとしか感じられなかった。

俳優たちの演技は良かっただけに、もったいないなあというのが正直な感想です。

キレンジャー