劇場公開日 2020年8月14日

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「4人全員を応援したくなる!」思い、思われ、ふり、ふられ おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.04人全員を応援したくなる!

2020年8月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

同級生がある日突然家族になる、という漫画やアニメのあるあるシチュエーション。しかし、現実にはそうそうないです。自分の周りを眺めても、そんな家族はたった一組しか思い当たりません。ましてやイケメンと美少女の組み合わせで、以前から恋心を抱いてたなんて、そりゃもう天文学的な奇跡です。そして、幾多の障害を乗り越えて、最後は結ばれるハッピーエンド、ベタだけど本作もそんな感じかなと予想してました。まあそれでも、浜辺美波さんと北村匠海くんのキミスイカップルの恋の成就を見届け、自分にはなかった甘酸っぱい恋愛を疑似体験させてもらおうかと、映画館に足を運びました。

しかし!そんなチンケな予想を軽く超える、深みのある仕上がりで、何度も目が潤みました。正直、ベタなイチャイチャラブストーリーと舐めてて、本当にすみませんでした。まさか、高校生からこんなに深い教えをもらうとは、思ってもみませんでした。ラブストーリーの形を借りて語られるのは、生き方そのものでした。それも、中心人物となる朱里、理央、由奈、和臣の四人が、それぞれに自分や家族や友達と向き合い、互いの思いと言葉をしっかり受け止め、人として一回り大きく成長していく様が描かれ、心が温かくなりました。

「やらないことの言い訳探し」「大事なことは後でしか言えない」「傷つきたくなくて本心を隠す」 はい、それ全部自分のことです。4人の高校生の素直で正直で真っ直ぐな生き方が、あまりにもまぶしすぎました。いい歳して、いまさら生き方を変えることなんてできませんが、それでも、少しぐらい挑戦してみようかなと思わせてくれる、素敵な作品でした。

主演の浜辺美波さん、北村匠海くんは、本作でも抜群の演技で魅せてくれますが、福本莉子さんも展開と共に輝きを増す演技がすばらしかったです。赤楚衛二くんも、仮面ライダー万丈とは真逆のイメージで初めは気づきませんでしたが、清々しいほどの好青年ぶりがよかったです。とにかく、この4人がみんないい子なので、全員を応援したくなります。だからこそ、後味のよい、温かいラストシーンからヒゲダンへの流れが最高でした。…それなのに、最後の最後にアニメ版の宣伝とか、ありえないです。鑑賞後の余韻が台無しでした。

おじゃる