劇場公開日 2020年8月14日

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「若者の皆さん、もっと怒ってもいいと思います。」思い、思われ、ふり、ふられ グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0若者の皆さん、もっと怒ってもいいと思います。

2020年8月14日
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鑑賞方法:映画館

先日観たばかりの『アルプススタンドのはしの方』では、冒頭のシーンで〝しょうがない〟というテーマイメージが提起され、その後の青春群像と見事に絡めて描かれていました。

その直後にこの作品を観ると、今の時代において、おとな(親)たちの(生活や仕事のための)〝しょうがない〟がいかに子供たちにとって精神的な重しとして影響しているのか、が痛々しく伝わってきました。
もちろん、それが朱里や理央のように同世代の中で比較すると、大人びた人格を作ることもあるわけで、一概に否定的に捉えることはできませんが、だから〝しょうがない〟と受容するしかないという気持ちには、とてもなれませんでした。

極端にいうと、しょうがない、とか、仕方がない、と結論づけるということは、なんか違う、という違和感があったとしても無理やりに納得したことにする、ということでもあります。
高校生や中学生の時は、そういう何か違うはずだというモヤモヤをうまく言葉にできなくて、先生とか親との議論ではろくな反論もできず、本音とは裏腹に納得したフリをして飲み込むことが多かったという経験は、誰しもあると思います。

現実社会では、この映画の登場人物のような幸運な出会いによって、親の呪縛から解き放たれて、もっと大切なことに気がつくことができた、という若者は少ないと思います。
だから、若者はもっと怒ってもいいと思います。
親の事情を理解して、しょうがない、とあきらめることができる子が〝いい子〟だと思わせられていないか?

そういう意味では、この映画は穏やか過ぎると思います。
4人とも人間的に優し過ぎます。
もっと大人たちへの怒りをぶちまけてもいいのではないでしょうか。

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グレシャムの法則