「自己肯定感への目覚め」ブリット=マリーの幸せなひとりだち つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
自己肯定感への目覚め
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ブリット=マリーの存在証明が物語の核であるが、本質の部分はちょっと違う。
ブリット=マリーの存在を認めていなかったのは旦那でも周りの人々でもなくブリット=マリー本人なのだ。それは幼い頃に姉を亡くしたことによる。キラキラと輝く存在だった姉。その彼女に依存することで自分の存在証明としていたブリット=マリーにとって、よりどころを失ったことは自分を失ったことに等しい。
しかしブリット=マリー本人は生きているわけで、何か生きる糧を見つけなければならなかった。それが家事であり、家事をすることで、周りから見てもらえると考えた。
田舎の町に単身くることとなったブリット=マリーは長年受けることのなかった刺激を町の人々から受けることとなる。
町の人々、特に子どもたちは、自分で自分を信じて頑張ることで自らを証明しようとしていた。やればできるのだと。今の自分たちをほんの少しでも超えることが証明なんだと示してくれた。
ブリット=マリーに足りなかったのは自分の可能性、自分の望みを信じることだ。
どんなに活躍してもどんなに頑張っても空気人間では誰の目にもとまらないのだ。まずは自分で自分を認めここにいるとアピールすることで、今までブリット=マリーがしてきた努力は実を結ぶのである。
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